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委せる
「委せる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
委せるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
これじゃ『深夜の市長』を見殺しにするようじゃないかネ」 「仕方がない、後はお照に
委せるんだ。躊躇している場合ではない」 後髪を引かれるような想いで、僕は速水と....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
。見れば見るほど端麗な尼僧であった。まだ若い身空を、この灰色の庵室に老い朽ちるに
委せるなどとは、なんとしても忍びないことのように思われた。彼女はどんな事情で発心....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
佃島で私ははっきり切れ話を持ち出した。時子の慨きがどんなであったか、それは想像に
委せる。私は時子を砂の上につき仆して逃げたのである。其のとき、時子は発作に襲われ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
るなら、陸奥の艦上から、敵機を離したいと思ったが、それは反って容易に、敵の爆撃に
委せるようなものであった。万一のことを思うと、鳥渡、慄然としないわけに行かなかっ....
「地球盗難」より 著者:海野十三
、これを知った佐々記者は、そんなことは何でもないことで自分が喋らせてみるから一寸
委せるようにと申し出た。そこで佐々の計画というのを聞いてみると彼は習い覚えた催眠....
「地球要塞」より 著者:海野十三
たから、毒瓦斯で殺してしまったのだと、率直に一切を白状して、何分の処分を、大佐に
委せるといった。 「あははは。これはおかしい」 と、田島大佐が、私の話をきいて....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
うところがよく聞えなかったし、一体これは、どこの産じゃ」 「はあ、それは御想像に
委せるといたしまして、とにかく醤主席は、かような珍味を博士に伝達して、その代り、....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
ちろん、仏にとっては、そんな煩わしいことに、頭を使いたくなかったので、万事アンに
委せることに同意した。 列車憲兵が、廻ってきた。 「ロンドンへは、どういう用件....
「太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
川艦長は、全員を指揮して、早速修理にとりかかりました。もうこうなったら、運は天に
委せるのです。委せてしまえば、かえって朗かな気持になれます。 一時間を過ぎ、も....
「空襲警報」より 著者:海野十三
の服をひっぱった。 「……で、とにかく私が指揮しますが、文句はありませんか」 「
委せるぞう……、よろしく頼むゥ……」 という声がかかって、鉄造は大満足だった。....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
知ったら、どんな顔をするだろうと、苦笑せずにいられなかった。美和子は、前川を姉に
委せると、自分はまたお友達のグループにはいって、そこで賑やかにさわぎ出していた。....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
石とを配置して見よう。 鶴見はそう思い附いて、庭師を呼んで、その処置をすっかり
委せることにした。庭師は若い時分名古屋へ行って修行して来たとかいっている。腕前の....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
のようなものです。芸術家として自ら恃むところはこれだけで、あとのことは、宣伝係に
委せるがよろしい。 多くの映画俳優が、今日まで、その若さといっしょにすべてを失....
「荘子」より 著者:岡本かの子
い、また瓦石ともなり蚊虻ともなって変化に委せて行くべきものはまたその変化に安じて
委せる。これが本当の「道」であるべきだ。他の用いを望んで齷齪、白馬青雲を期するこ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
の大軍の会戦への前進はモルトケ元帥の如く単に方針のみを与えて第一線司令官の自由に
委せるのではなく、全軍あたかも大隊教練のように「眼を右、触接左」に前進すべき事を....