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「姿見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

姿見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
一 部屋《へや》の隅に据えた姿見《すがたみ》には、西洋風に壁を塗った、しかも日本風の畳がある、――上海《シャ....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
金《けきん》の繍《ぬいとり》のある黒の模様で、薔薇《ばら》の花束を手にしながら、姿見の前に立っている所を、横顔《プロフィイル》に描いたものでした。が、それは見る....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ちっと日比谷へでも出かけるが可い。」 「憚様、お座敷は宵の口だけですよ。」 と姿見の前から座蒲団をするりと引いて、床の間の横へ直した。 「さあ、早瀬さん。」と....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
おい、居間の鏡を寄越せ。(闥開く。侍女六、七、二人、赤地の錦の蔽を掛けたる大なる姿見を捧げ出づ。) 僧都も御覧。 僧都 失礼ながら。(膝行して進む。侍女等、姿....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
――あれ、ね、娘は髪のもつれを撫つけております、頸の白うございますこと。次の室の姿見へ、年増が代って坐りました。――感心、娘が、こん度は円髷、――あの手がらの水....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
減、絵に描いた、小松葺、大きな蛤十ばかり一所に転げて出そうであったが。 舞台に姿見の蒼い時よ。 はじめて、白玉のごとき姿を顕す……一|人の立女形、撫肩しなり....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
沼というのである。 今はよく晴れて、沼を囲んだ、樹の袖、樹の裾が、大なる紺青の姿見を抱いて、化粧するようにも見え、立囲った幾千の白い上※が、瑠璃の皎殿を繞り、....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
で、拭布を掛けたなり台所へ突出すと、押入続きに腰窓が低い、上の棚に立掛けた小さな姿見で、顔を映して、襟を、もう一息掻合わせ、ちょっと縮れて癖はあるが、髪結も世辞....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
湯殿に近い化粧部屋。これは障子が明いていた。 中から風も吹くようなり、傍正面の姿見に、勿、映りそ夢の姿とて、首垂るるまで顔を背けた。 新しい檜の雨戸、それに....
多神教」より 著者:泉鏡花
橋、奥殿にかかりて玉虹の如きを、はらはらと渡り出づる、気高く、世にも美しき媛神の姿見ゆ。 媛神 (白がさねして、薄紅梅に銀のさや形の衣、白地金襴の帯。髻結いたる....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
でおどけた。これが、さかり場の魔所のような、廂合から暗夜が覗いて、植込の影のさす姿見の前なんですが。 「芸妓にしたという素敵な玉だわ……あんなのが一人、里にいれ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
頭に至るまで、この床の持分となると傍へは行かない。目下文明の世の中にも、特にその姿見において、その香水において、椅子において、ばりかんにおいて、最も文明の代表者....
式部小路」より 著者:泉鏡花
ながら、艶なる頸にきらきらと片割月のきらめく剃刀。物凄きまで美しく、向うに立てた姿見に頬を並べた双の顔に、思わず見惚れて敷居の際。 この跫音にも心着かず、余念....
註文帳」より 著者:泉鏡花
そっくりだ。はっと思うトタンに背向になって仰向けに、そうよ、上口の方にかかった、姿見を見た。すると髪がざらざらと崩れたというもんだ、姿見に映った顔だぜ、その顔が....
活人形」より 著者:泉鏡花
しも心着かざりけり。 泰助は旅店に帰りて、晩餐の前に湯に行きつ。湯殿に懸けたる姿見に、ふと我顔の映るを見れば、頬の三日月|露れいたるにぞ、心潜かに驚かれぬ。ざ....