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威かし
「威かし〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
威かしの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
鍋が掛って、まだそれが煮立たぬから、こうして待っているのである。 気軽なら一番
威かしても見よう処、姉夫人は少し腰を屈めて、縁から差覗いた、眉の柔な笑顔を、綺麗....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
が囁くに異ならず。 「ええ、」 「どこか呻吟くような声がするよ。」 「芸もねえ、
威かしてどうさっせる。」 「聞きなさい、それ……」 「う、う、う、」 と厭な声....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
うに、お前、真剣になって、明白を立てる立てるッて言わあ。勿論、何だ、御用だなんて
威かしたには威しましたさ、そりゃ発奮というもんだ。 明白を立てます立てますッて....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
膝までも出さないんだ、馬鹿にするないで、もって、一本参ったもんです。 が、まだ
威かしではないか、と思う未練があった。――処へ、ひょっこりしばらく潜っていたのが....
「蠅男」より 著者:海野十三
るうちに、恐怖を感ずるどころかムラムラと癪にさわって来た。 「かよわい糸子さんを
威かしの種に使おうなんて、卑怯千万な奴だ」 それにしても、糸子はどうしてこの部....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
うとは思わず、唯何だか物音のするを聞き、此の室の兼ねての住者が騒ぐ者とのみ思い、
威かして取り鎮める積りで長剣を光らせて来たので有ろう。余は彼の驚き怪しむ顔色を見....
「殺人迷路」より 著者:甲賀三郎
」真弓は微かにうなずいた。 「それなら、あなたは全然無罪です。誰ですか。あなたを
威かした男は」 「恐ろしい人間です」 「山川ですね」 「ええ」 「山川はどう云っ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
は皮肉な苦笑を浮かべながら、 「然しね、君、自然に逃げた鳥は又巣に戻って来るが、
威かした鳥はもう帰って来ないよ」 「謎みたいな事を云うね」 石子は根岸の皮肉な....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
えに目を持っていった。 「ですから、わたしは鉄砲で蔦代の胸の辺りを突いて、蔦代を
威かしてやろうと思ったのでございます。それなのに……それなのに……」 紀久子は....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
う浪人が居りまして、貸金の催促方なぞに頼まれて掛合に往きまして、長柄へ手を掛け、
威かして金を取って参りますから、調法ゆえ百姓が頼みますので、萩原さんを頼んで掛合....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
で、元は小出様の御家来であったが、身持が悪く、酒色に耽り、折々は抜刀などして人を
威かし乱暴を働いて市中を横行し、或時は料理屋へ上り込み、十分|酒肴に腹を肥らし勘....
「女房ども」より 著者:神西清
れ!』私は半時間ほどマーシェンカの傍についていて、お説教をしてやりました。少々|
威かしてやったのです。――『行いの正しい人間は、あの世で極楽へ行く。だがお前なん....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
いいでしょ」と、カテリーナ・リヴォーヴナはしゃあしゃあと答えた。――「あんたは、
威かしさえすりゃあたしが震えあがるとでも、思ってらっしゃるらしいけれど」と、意味....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
を抑えても、数台の飛行機が、彼等の手中にある以上、動力を停めて、人造島を溶かすと
威かしても、彼等は、そのままに、飛行機に分乗して、危機を脱することが出来るじゃあ....
「暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
、彼の女のはずはない。誰があの可愛いエルシーなどを傷つけるものか! 私は彼の女を
威かしはしたかもしれないが、それは神様もお許し下さろう。――しかし私は彼の女の美....