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威令
「威令〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
威令の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
かしかとは覚えていないが、さる警察署長から上申書が提出されて、その中には、国家の
威令が危殆《きたい》に瀕していること、警察署長という神聖な肩書がむやみに濫用され....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
味が悪いナ」 「彼等は見張りだけが任務なんだ。――黙っているのは『深夜の市長』の
威令が行われている証拠だよ。規律が弛緩すれば、場所がらを弁えず、詰らぬお喋りなど....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
恐れがあろうとの説を出すものもあるが、今日すでに割拠の実があるではないか。幕府の
威令は行なわれない。諸侯を召しても事を左右に託して来たらない。これは幕府に対して....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
となしいではありませんか」 お松が言うと、駒井が、 「珍しくあの子の上に船長の
威令が行われた」 と言って微笑《ほほえ》みはしたけれども、その実はなんとなく、淋....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ら、一にも愚楽様々、二にも愚楽様々――。
吉宗の政治は愚楽政治。
まことに、
威令《いれい》ならびなき垢すり旗本なんです。
その愚楽老人をつかまえて、
「や....
「三つの悲憤」より 著者:豊島与志雄
学の研究に耽るようになりました。 范志清は時には無謀大胆で、そして常に勇敢で、
威令を振いました。ところが或る日、湖水のほとりで、死体となって横たわっているのが....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
相を知ろうというような、冒険好きの者はいなかった。この頃は幕府も末の末で、有司の
威令は行なわれず、将軍の威厳さえほとんど傾き、市中は文字通り無警察で、白昼切取強....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
、そいつはよくあるまい」浮木はその眼をひそめたが、 「あの信長めが京師を管理し、
威令行なわれているからの」 「そんなことには驚かないよ」星影左門は笑ったが「何の....
「取舵」より 著者:泉鏡花
危く見えたり。 「取舵!」と雷のごとき声はさらに一喝せり。半死の船子は最早神明の
威令をも奉ずる能わざりき。 学生の隣に竦みたりし厄介者の盲翁は、この時屹然と立....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
つがえして帝国を建て、民衆の声に代うるに皇帝の命令をもってし、全ヨーロッパ大陸に
威令したナポレオンは、実に自ら知らずしてかの赤児の保母であった、偉人の痛ましき運....
「道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
平将門が関東で割拠独立を図ったのは、当時朝廷の綱紀が甚だしく弛緩して、中央政府の
威令が遠方に及ばぬ様な、至って混乱した時代であったが上に、彼は騎虎の勢いやむをえ....
「三国志」より 著者:吉川英治
奪はやまない。酒は盗む。喧嘩はいつも女や賭博のことから始まった。――軍律はあれど
威令が添わないのである。洛陽の飢民は、夜ごと悲しげに、廃墟の星空を仰いで、 (こ....
「三国志」より 著者:吉川英治
の指揮も当然玄徳に帰していたわけです。ふたりは玄徳の部下として行ったものゆえ彼の
威令に従わないわけにゆかなかったでしょう。もうやむを得ません、この上は車冑に謀略....
「三国志」より 著者:吉川英治
に隣するまで――旧袁紹治下の全土を完全に把握してしまった。彼らしい新味ある施政と
威令とは、沈澱久しかった旧態を一掃して、文化産業の社会面まで、その相貌はまったく....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
の実績は、なお思うようには、行われていない。 形は、変るが、中は変らないのだ。
威令には伏するが、内実の腐敗は、かえって、被る殻を強くさえしている。 悪習の根....