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「娘分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

娘分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ナニ道さん、イヤ丸部さん、私は少しも秀子さんを恨みはしませんよ、元は私が此の家の娘分で、今は追い出されて、其の後を秀子さんが塞いだと云えば世間の人は定めし私が恨....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
はその後も和泉屋に奉公していまして、それから大和屋の媒妁《なこうど》で、和泉屋の娘分ということにして浅草の方へ縁付かせました。文字清も和泉屋へ出入りをするように....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
本人は、水木|歌女寿と呼ばれる踊りの師匠であった。歌女寿は自分の姪を幼いときから娘分に貰って、これに芸をみっちり仕込んで、歌女代と名乗らせて自分のあとを嗣がせる....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
で、柄も中形も大きいが、お三輪といって今年が七、年よりはまだ仇気ない、このお才の娘分。吉野町辺の裁縫の師匠へ行くのが、今日は特別、平時と違って、途中の金貸の軒に....
姉川合戦」より 著者:菊池寛
馬剛壮、之を敵にしては、信長が京都を出づるについて不便だった。信長は、妹おいちを娘分として、長政と婚を通じて、親子の間柄になった。 だが、長政は信長と縁者とな....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
歳の男の子を連れて遊びに来た。誰のかと云えば、お春のだと云う。お春さんは爺さんの娘分になって居る若い女だ。 「お春が拾って来たんでさァ」と爺さんがにや/\笑いな....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
で自動車でないからと言って、何でも下りて、すねたのだと言う。……丸髷は某楼のその娘分。女郎の本名をお千と聞くまで、――この雑仕婦は物頂面して睨んでいた。 不時....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
の、あの劫火に追われ追われ、縁あって、玄庵というのに助けられた。その妾であるか、娘分であるかはどうでもいい。老人だから、楽屋で急病が起って、踊の手練が、見真似の....
連環記」より 著者:幸田露伴
る。何時からとも無く、自然の成りゆきで駅の長は女となり、其長の下には美女が其家の娘分のようになっていて、泊る貴人等の世話をやくような習慣になったものである。それ....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
以前築地一流の本懐石、江戸前の料理人が庖丁を※る。 この梅水のお誓は、内の子、娘分であるという。来たのは十三で、震災の時は十四であった。繰返していうでもあるま....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
うには思われぬ。 話は別にある。今それを言うべき場合でない。築地の料理店梅水の娘分で、店はこの美人のために賑った。早くから銑吉の恋人である。勿論、その恋を得た....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
のように思出した。つれだったという……京千代のお京さんは、もとその小浜屋に芸妓の娘分が三人あった、一番の年若で。もうその時分は、鴾の細君であった。鴾氏――画名は....
松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
何となく心嬉しいてッてます」 旦「なにお幇間を云っちゃアいけない、あれは抱えか又娘分かえ」 三「あれは娘分なんでげすが、彼処の婆ほど運の好い奴はありません、無闇....
白塔の歌」より 著者:豊島与志雄
た言葉と変り、その眼差の光は和らいできました。荘夫人は彼女に興味を持ち、侍女とも娘分ともつかない地位に置きました。美しい彼女の顔立は、横から見れば※のとがりが目....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
例の軽業の一行は、今は行衛不明であった。いわば彼女は宿なしであった。で伊丹屋では娘分として彼女を養うことにした。 信濃の春は遅かったが秋の立つのは早かった。湖....