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婉麗
「婉麗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
婉麗の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
てからは手が萎れて箒を執るにも不便であった。父は能筆で、お家流をよく書き、字体も
婉麗なものであったが、病後は小さな字を書くこともできなかった。まるで七つか八つの....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
放さなかったが、それが最後の日であったことを語った。父はお家流をよく書き、書体の
婉麗なことは無器用な彼なぞの及ぶところでなかったが、おそらくその父の手筋は読み書....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
ローラの所へ走り寄つていそいで蓋をあけた。丁度その時レコードはショパン独特のあの
婉麗極まりなきトリオの部分を奏ではじめている所だつたが、私はいそいでアームをあげ....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
の涙を以て記載し且つその遺稿を公刊するに至った順序をも併せ記したものである。高潔
婉麗の筆、高雅端壮の文、情義兼ね至り、読者をして或は粛然|襟《えり》を正さしめ、....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
雲を見ている。構図は頗る平凡であるが、筆者は評判の美人画家青山|馨氏だけに、頗る
婉麗な肉感的なもので、同氏がこの頃急に売り出した理由が一眼でうなずかれる代物であ....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
ていたのです。スパセニアの肢体が眼の前で跳躍して、ドブンと水煙立てて……ジーナが
婉麗な身体をくねらせ、手を上げて眼の前を過ぎてゆく! しかも考えながら、一体ど....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
高めました。とりわけ「京友禅」の評判を知らぬものはありません。友禅染はその優雅な
婉麗な紋様と色調とにおいて、日本味の豊な染物であります。それ故その生命ともいうべ....