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婢僕
「婢僕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
婢僕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「南島譚」より 著者:中島敦
ねた。下男は詳しく夢のことを語った。如何に彼が夜毎美食に※《あ》き足るか。如何に
婢僕《ひぼく》にかしずかれて快い安逸を娯《たの》しむか。如何に数多の女共によって....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の本性が再びその眠りから覚めるまで続いた。この時に至って印刷術というものが学問の
婢僕として働くようになり、また実験的の仕事を軽侮するような有識者の考え方も跡を絶....
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
らせる館を築けば、即ち屏障光を争ひ、奇樹怪石後園に類高く、好望佳類類うもの無し。
婢僕多く家に充ち、衆人を従へて遊燕すれば、昔日彼の貧を嫌つて、接近を忌みたる一門....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
われむべきお豊は、川島未亡人のためにはその乱れがちなる胸の安全管にせられ、家内の
婢僕には日ながの慰みにせられ、恋しき人の顔を見ることも無うして、生まれ出でてより....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れ」 擬《まが》いの神尾主膳に附添いの者共はみな集まって来たし、この家の主人や
婢僕《ひぼく》までもみな廊下のところに、そっと様子を見に来ている。その向うには、....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
得ていたのである。 ついでにいうが、右の如く市中へ肉など買いに行くという事は、
婢僕を使っている士分の家では主人は勿論家族でも多くはせなかった。もし買う事があれ....
「東上記」より 著者:寺田寅彦
かえてよと云う人の情もうれし。盃一順。早く行て船室へ場を取りませねばと立上がれば
婢僕親戚|上り框に集いて荷物を車夫に渡す。忘れ物はないか。御座りませぬ。そんなら....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
当時の雑誌新聞記者らを、用捨もなくけちな暴君と呼んで、次の事柄を頭に入れさした。
婢僕《ひぼく》の本分 何よりもまず、女王の出御される家が、きれいになっていなけ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
できた。だれにも会わないでよかった。小さな中流人士の多くと同様に、二人の子供は、
婢僕《ひぼく》や農夫などの平民たちから遠ざかっていた。二人は彼らに会うと、多少の....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
いんめつ》とのみである。そこでは、壜《びん》の底は泥酔を告白し、籠《かご》の柄は
婢僕《ひぼく》の勤めを語る。そこでは、文学上の意見を持っていた林檎《りんご》の種....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
婦人の専ら任ずる所に就て濃《こまか》に之を視察すれば、衣服飲食の事を始めとして、
婢僕の取扱い、音信贈答の注意、来客の接待|饗応《もてなし》、四時遊楽の趣向、尚お....
「工学博士末広恭二君」より 著者:寺田寅彦
場合はなかなか烈しく喰ってかかることもあったが、弱いものにはいつもやさしかった。
婢僕などを叱ったことはほとんどなかったそうである。親思いで、子煩悩で、友をなつか....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
たるを知る。されば先生は常に袴をも着せず、一書生の風体なるにかかわらず、予が家の
婢僕等皆|尊敬して、呼ぶに先生を以てし、門番、先生を見れば俄かに衣を纒いてその裸....
「学者安心論」より 著者:福沢諭吉
ども、我が区内の者はとかくに心得方《こころえかた》よろしからず、と。主人は以前の
婢僕《ひぼく》を誉《ほ》め、
婢僕は先《せん》の旦那を慕う。ただに主僕の間のみなら....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
親切になお夫の兄姉等にもよく仕え、夫の弟妹などは家の弟妹のごとく可愛がりその上|
婢僕は自分の子供のごとくによく憫んで使ってやれ」とこういうような事をいいます。
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