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「婦長〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

婦長の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
分はしばらく家を出ることに成ったと書いてよこした。お父さんがある病院で知った看護婦長の世話で、自分はこの田舎へ来るように成ったと書いてよこした。その看護婦長は今....
柿色の紙風船」より 著者:海野十三
なくなる虞れがあるでしょう」 「そうね。ラジウムて随分高価いんでしょ」 「ええ。婦長さんが云ってたわ。あの鉛筆の芯ほどの太さで僅か一センチほどの長さなのが、時価....
蠅男」より 著者:海野十三
の姿を見出すことはできなかった。 「どうも困ったネ」 「あたし、どうしましょう。婦長さんに叱られ、それから院長さんに叱られ、そして馘になりますわ」 看護婦は、....
脳の中の麗人」より 著者:海野十三
院させるのでございますか」 「そうだ、明日退院だ。それがどうかしたというのかね、婦長」 「あんな状態で、退院させてもいいものでございましょうかしら」 「どうも仕....
ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
前に置いて、対い合っているだけでも楽みに思った。 やがて熊吉はこの養生園の看護婦長にでも逢って、姉のことをよく頼んで行きたいと言って、座を起ちかけた。 「熊吉....
風立ちぬ」より 著者:堀辰雄
り向きながら、それを言わせないように、口へ指をあてる番だった。…… やがて看護婦長がせかせかした親切そうな様子をしてはいって来た。こうして看護婦長は、毎朝、病....
若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
日せんたくますようお祈りいたしております。ハンナ・マレットより。 第二号付看護婦長殿 ラパハノック川岸はきわめて静かにて全軍士気さかん。兵站部の処置よろし。....
生と死との記録」より 著者:豊島与志雄
庭に面した二階の六畳の室で、寝台の室でないのが気持よかった。 医員と女医と看護婦長とですっかり堯の手当が為された。胃部には温湿布があてられた。私は医員の人から....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
シリした元気のよい若者だった。彼もまた根気がよかった。彼はちょっと悪いことをして婦長さんに叱られ、罰として病室のドアをみがくように命じられた。 婦長さんも他の....
アリゾナの女虎」より 著者:牧逸馬
げつけたりなど、野獣のように暴れることがあったと言った。 グルノウ療養院の看護婦長エヴェリン・ネエスというのが、サミイとアンを生きて最後に見た人で、金曜日の午....
徳育如何」より 著者:福沢諭吉
くはく》を忍び、古代の縄墨《じょうぼく》をもって糺《ただ》すときは、父子君臣、夫婦長幼の大倫も、あるいは明《めい》を失して危きが如くなるも、なおかつ一世を瞞着《....
或る探訪記者の話」より 著者:平林初之輔
っていたのだから、博士の病院へ出入りするには都合がよかったのだ。 僕はまず看護婦長にとり入った。秘密をかぎだすには女に限ることは、僕たち探訪記者が永い経験によ....
式部小路」より 著者:泉鏡花
きらめたように、しかも哀にきこえた処へ、廻診の時間じゃないのに、院長が助手と看護婦長とを連れて、ばたばたと上って見えて、すっとこの室の前を通ったんだね。 そこ....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
のかなくなっていて、その代わりにメガホンが手に触れた。階下の透視室には鍬もあり、婦長さんたちもいるのを思い出し、これはみんなの加勢を受けるほうがよいと判断して、....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
局員や学生や看護婦を指導したけれども、この娘ほど手を焼かせたものはなかった。看護婦長なんかは、部長先生が一看護婦に直接手を下して訓育なさらなくても、などと忠告も....