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媾和
「媾和〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
媾和の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「自転車日記」より 著者:夏目漱石
狭苦しきばかり也、この会見の栄を肩身狭くも双肩に荷《にな》える余に向って婆さんは
媾和《こうわ》条件の第一款として命令的に左のごとく申し渡した、 自転車に御乗ん....
「明暗」より 著者:夏目漱石
ち合せを済ました訪問の主意でも何でもなかったけれども、お延自身からいうと、うまく
媾和《こうわ》の役目をやり終《おお》せて帰るよりも遥《はる》かに重大な用向《よう....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
又滝川左近|将監一益も、武蔵野に於て、北条左京大夫|氏政と合戦中であったが、忽ち
媾和して、尾州長島の居城に帰った。更に森勝蔵長勝は、上杉家と争って居たのだが、信....
「碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
して互に之を越える事を禁じて去った。休戦状態である。沈惟敬は北京に還って、行長等
媾和の意ある事を報じた。処が明政府は既に李如松を提督に任命して、朝鮮救援の軍を遼....
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
雄略を以てしても本願寺門徒を攻め倒すことが出来ず、十一箇年の星霜を費して、やっと
媾和している。 しかし、秀吉がその愛児秀頼に、この難攻不落の名城を遺したことは....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
り取った土地である。 武田亡びた後、真田は仮に徳川に従っていたが、家康が北条と
媾和する時、北条側の要求に依って、沼田を北条側へ渡すことになり、家康は真田に沼田....
「弟子」より 著者:中島敦
く方が、この男の性に合っているようである。 斉との間の屈辱的《くつじょくてき》
媾和《こうわ》のために、定公が孔子を随《したが》えて斉の景公と夾谷《きょうこく》....
「安重根」より 著者:谷譲次
たしまして、とにかく日本人のつもりで日露戦争に働いた人も尠からざることで、日露の
媾和が成立して日本軍が凱旋することになりました時のごときは、韓国人は自国の凱旋の....
「女性の歴史」より 著者:宮本百合子
のであった。女性は美しければ美しいほど人質として悲惨だった。人質としてとられ、又
媾和的なおくりものとして結婚させられる。戦国時代の婦人達の愛情とか人間性というも....
「雁」より 著者:森鴎外
いるね」 お上さんは黙っている。 末造も再び譲歩しようとはしない。こっちから
媾和を持ち出したに、彼が応ぜぬなら、それまでの事だと思って、わざと平気で烟草を呑....
「一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
もて》に、さまざまの人が、さまざまの策略をめぐらして訪問するのであった。慰問使、
媾和《こうわ》使、降伏説得使なのである。鯉の頭は猶更《なおさら》下ろうとはしない....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
と洞察力と政治的批評眼とがなければとても書けないものであった。あるいは不満足なる
媾和に憤慨した余りの昂奮で筆が走ったので、平素の冷静な二葉亭ではかえって書けなか....
「人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
風の如きは、かつてかかる事の我が国に行われた証拠と解する。そして敗戦の際に敗者が
媾和の条件として、もしくは兇暴なる敵人の襲撃から免れんが為に、合意的に人間を敵人....