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嫁
「嫁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嫁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
三台後ろ向きに止まっている。人通りはやはり沢山ない。角隠《つのかく》しをつけた花
嫁《はなよめ》が一人、何人かの人々と一しょに格子戸を出、静かに前の人力車に乗る。....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
はいって来た時、腰ぬけのお鳥が便をする度に手を洗わないのを発見した。「この家のお
嫁さんは気が利いている。あたしたちにも気づかないように水を持って行ってやるようだ....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
十四
茶の間の方では、癇高《かんだか》い妻のお百《ひゃく》の声や内気らしい
嫁のお路《みち》の声が賑《にぎ》やかに聞えている。時々太い男の声がまじるのは、折....
「春の夜」より 著者:芥川竜之介
家には男主人はいない。切《き》り髪《がみ》にした女隠居《おんないんきょ》が一人、
嫁入《よめい》り前《まえ》の娘が一人、そのまた娘の弟が一人、――あとは女中のいる....
「文放古」より 著者:芥川竜之介
ていないの。ただ従兄の父親だけは――つまりあたしの叔父《おじ》だわね。叔父だけは
嫁《よめ》に貰いたいのよ。それも表向きには云われないものだから、内々《ないない》....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
御館《おやかた》の外へ逃げ出してしまいました。ただ、どちらの御姫様が、髪長彦の御
嫁さんになりましたか、それだけは何分昔の事で、今でははっきりとわかっておりません。
(大正七年十二月)....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
卑しかるべき区々たる小銅像の建設にあるのではないか。自分はさらに同じような非難を
嫁が島の防波工事にも加えることを禁じえない。防波工事の目的が、波浪の害を防いで
嫁....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
たですから。」
「そうしてそのお松と言う女は?」
「お松は「い」の字と言う酒屋に
嫁《よめ》に行ったです。」
熱心になっていた「な」の字さんは多少失望したらしい....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
君を相手じゃ、せっかくの発見の自慢《じまん》も出来ない。――とにかく長谷川君の許
嫁《いいなずけ》なる人は公式通りにのぼせ出したようだ。」
「実際そう云う公式があ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ら》を飛びのいた。が、すぐにまた声を立てて笑いながら、ちょうど足もとに咲いていた
嫁菜《よめな》の花を摘み取っては、一斉《いっせい》に彼へ抛りつけた。薄紫の
嫁菜の....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
の隅に坐り、ナイフやフォオクを動かし出した。たね子は角隠《つのかく》しをかけた花
嫁にも時々目を注《そそ》いでいた。が、それよりも気がかりだったのは勿論皿の上の料....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
、どこの長唄の女師匠は亭主の怨霊にとりつかれているとか、ここの仕事師のお婆さんは
嫁の幽霊に責められているとか、いろいろの怪談を聞かせられた。それをまた僕に聞かせ....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
る蛇笏の名前に注意し出した。勿論その句境も剽窃した。「癆咳の頬美しや冬帽子」「惣
嫁指の白きも葱に似たりけり」――僕は蛇笏の影響のもとにそう云う句なども製造した。....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
は年をとったほうの婦人の腕を小脇にかかえるようにした。 (この男はあの若い女の許
嫁なのだな) 彼はそう思った。 しかし彼には、この男に似た青年にむかしどこか....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
ました。多助と太郎右衛門は、高い声で話をしながら坂を登って行きました。二人は浜へ
嫁に行っていた村の娘が、亭主に死なれて帰って来たという話を、さもさも大事件のよう....