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「嫁さん〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

嫁さんの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
御館《おやかた》の外へ逃げ出してしまいました。ただ、どちらの御姫様が、髪長彦の御嫁さんになりましたか、それだけは何分昔の事で、今でははっきりとわかっておりません。 (大正七年十二月)....
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
はいって来た時、腰ぬけのお鳥が便をする度に手を洗わないのを発見した。「この家のお嫁さんは気が利いている。あたしたちにも気づかないように水を持って行ってやるようだ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
しては、これまでの修行場の引越しとは異って、何となく気がかり……幾分輿入れ前の花嫁さんの気持、と言ったようなところがあるのでした。つまり、うれしいようで、それで....
醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ちは構わないよ。」 と、つけ足しました。 可哀そうに! この子家鴨がどうしてお嫁さんを貰う事など考えていたでしょう。彼はただ、蒲の中に寝て、沢地の水を飲むのを....
可愛い山」より 著者:石川欣一
ていたからばかりでなく、何だか悄気ていた。少くとも私は悄気ていた。慎太郎さんはお嫁さんを貰ったばかりだから、家に帰りたかったのかも知れぬ。 一行四人に人夫や案....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
打ッつけたのが一時で、 「やーい、けいせい買のふられ男の、意気地なしの弱虫や、花嫁さんが来たって遁げたや、ちゃッ、ちゃッ、ちゃッ。」 ……と、みそさざいのよう....
海異記」より 著者:泉鏡花
めた。肩も脛も懐も、がさがさと袋を揺って、 「こりゃ、何よ、何だぜ、あのう、己が嫁さんに遣ろうと思って、姥が店で買って来たんで、旨そうだから、しょこなめたい。た....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
それで非職てるの。その息子さんが新しい法学士なんですって……そこからね、是非、お嫁さんに欲いって言ったんですとさ。 途中で、時々顔を見合って、もう見合いなんか....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
います。田舎で意地ぎたなをするもんですか。」婆にそう言ってやりましょうよ。そのお嫁さんのためにも。)―― 「――あとで、お艶様の、したためもの、かきおきなどに、....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
「いましがたちょっと買ものをして来たんだが、」 と言継いで、 「彼家に、嫁さんか、娘さんか、きれいな女が居るだろう。」 「北国一だ。あはははは。」 と....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
不気味だった。 その時である。 「こっち、こっち、ほほほ。」 と派手な声が、嫁さんの花簪の上を飛んで来た。 すぐに分った、店口を入る、茶の室と正面の階子壇....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
も二三度に止らなかった。 * * * そのうち彼は嫁さんを貰うことになったという話を自分からした。子供をひとり連れて来るそうだが、....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ところ、主人の所浜次郎氏から女房の話を持込まれた。相手は本所松原町にある質屋の若嫁さんの妹で、お静という二十二の娘である。私は生まれて初めて見合いに出かけた。お....
京のその頃」より 著者:上村松園
男がいかつい手つきで刷いたのでは、どうも紅を刷くという感じが出ない。小町紅ではお嫁さんや娘さんや、絶えず若い美しい女の人がいて、割れ葱に結って緋もみの裂で髷を包....
四条通附近」より 著者:上村松園
四条柳馬場の角に「金定」という絹糸問屋があって、そこに「おらいさん」というお嫁さんがいた。 眉を落としていたが、いつ見てもその剃りあとが青々としていた。 ....