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「嫁御〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

嫁御の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
から二の足を踏んだが、すがられてみりゃいやともいえまい。実物を見せてもらおう。花嫁御はどこだ」 「奥でござります。おい。冬! 冬! だんなさまがお力をお貸しくだ....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
を見返すと申して、估券潰れの古家を買いまして、両三年|前から、その伜の学士先生の嫁御、近頃で申す若夫人と、二人で引き籠もっておりますが。……菜大根、茄子などは料....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
ら、表向きにはなんと言うことも出来なかった。縁談は故障なく運んで、いよいよ今夜は嫁御の輿入れというめでたい日の朝である。越智の屋敷の家来らは思いもよらない椿事に....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
この手廻しがのうてみさっしゃい、団子|噛るにも、蕎麦を食うにも、以来、欣弥さんの嫁御の事で胸が詰る。しかる処へ、奥方連のお乗込みは、これは学問修業より、槍先の功....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
、そこじゃ、お前様。見えて半月とも経ちませぬに、豪い騒動が起ったのは、喜太郎様の嫁御がまた臨月じゃ。 御本家に飼殺しの親爺仁右衛門、渾名も苦虫、むずかしい顔を....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
、お稲はその身の前妻じゃ。―― との、まだお稲が死なぬ前に、ちゃッと祝言した花嫁御寮に向うての、――お主は後妻じゃ、二度目ぢゃと思うておくれい、――との。何と....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
、その眇の方をト上へ向けて渋のついた薄毛の円髷を斜向に、頤を引曲げるようにして、嫁御が俯向けの島田からはじめて、室内を白目沢山で、虻の飛ぶように、じろじろと飛廻....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
紋も、揚羽の蝶と覚えている。高島田に花笄の、盛装した嫁入姿の窈窕たる淑女が、その嫁御寮に似もつかぬ、卑しげな慳のある女親まじりに、七八人の附添とともに、深谷駅か....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
供を育てていただきたいのです。あなたは利発で、落ちついた方。正司にはモッタイない嫁御です。私は拾い物をしたように、安心していたのです。あなたならば私が当家で果し....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
づけて、 「なア。宇佐美君。貴公は世間の噂を御存知か。久世喜善が克子さんを貴公の嫁御に選んだのは、貴公が大名の嫡流のくせに、名誉も金もいらぬという、妙な気骨のあ....
蜜柑」より 著者:佐左木俊郎
いの線をうごめかした。 「それさな。こっちの家の姉様が、こんなに大っきくなって、嫁御に行ってるぢのだがら。」 「仙台の方さ行って、大変儲けだぢ話聞いだっけ……」....
女の話・花の話」より 著者:上村松園
てみても物なつかしいような気がいたします。 図は、二十七、八から三十くらいの中嫁御が――眉を剃ったあとの、薄青い、ほん色白の京の嫁御の半身像でして、日傘をもっ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
」 すっと寄ると、 「あ、内の事はお嫁さんにさせないと気まずいね……姉さん、」嫁御は、もう台所から半身出ていた。 「広袖を出しておくれ、……二階だよ。」 「ま....
菜の花物語」より 著者:児玉花外
夫が担いで、八九人の中に怪しい紋附羽織の人が皆黙って送って行く――むろん本尊の花嫁御寮はその真中にしかも人力車に乗って御座る――が恰ど自分の眼の前に来かかった。....
活人形」より 著者:泉鏡花
三が促し立つれば、老婆は心得、莞爾やかに高田に向いて、「お芽出度存じます。唯今花嫁御を。……と立上り、件の人形の被を掲げて潜り入りしが、「じたばたせずにおいでな....