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「嫁御寮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

嫁御寮の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大菩薩峠」より 著者:中里介山
しか思われないのであります。 どうしても、お気の毒なのは、こちらへ貰われて来る嫁御寮《よめごりょう》だと思わないわけにはゆきません。 このお屋敷の殿様が、ど....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
《よどお》し飲み明かしなさるのでござんしょう」 「それは盛んなことじゃ。そうして嫁御寮《よめごりょう》はもうこっちへ着いたのか」 「お嫁さんは前の日、わたしもち....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
、お稲はその身の前妻じゃ。―― との、まだお稲が死なぬ前に、ちゃッと祝言した花嫁御寮に向うての、――お主は後妻じゃ、二度目ぢゃと思うておくれい、――との。何と....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
紋も、揚羽の蝶と覚えている。高島田に花笄の、盛装した嫁入姿の窈窕たる淑女が、その嫁御寮に似もつかぬ、卑しげな慳のある女親まじりに、七八人の附添とともに、深谷駅か....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
講談などにある、芝日影町の古着屋で、嫁入着物に糊附《のりづ》けものを売ったため、嫁御寮《よめごりょう》の変死から、その母親が怨みの呪《のろ》い「め」と書いては焼....
四十八人目」より 著者:森田草平
ますの」と言いながら、何と思ったか、おしおはきゅうに顔を赧らめた。「何でもそこの嫁御寮は、吉良様の御家老とやらから来ておいでじゃということでございますわ」 「ふ....
南国太平記」より 著者:直木三十五
仰しゃって、お登りになった――そうそう、あのえらい斬合の後でのう」 「その時の、嫁御寮《よめごりょう》に、何んとまあ、美しい、よう、似てござる方」 深雪も、庄....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
なった。髪をかき上げて台所の障子をあけた。 「おはようございます」 「や、これは嫁御寮、お眼ざめかな、わっはっはっは、いや、おはよう」 あから顔の四十男、でっ....
女の話・花の話」より 著者:上村松園
流行は別として、また幾分か物なつかしさがあるだろうと思いまして、思いついて青岱の嫁御寮をかいてみたわけでした。 ○ 新しいものが流行で、だんだん旧い....
菜の花物語」より 著者:児玉花外
夫が担いで、八九人の中に怪しい紋附羽織の人が皆黙って送って行く――むろん本尊の花嫁御寮はその真中にしかも人力車に乗って御座る――が恰ど自分の眼の前に来かかった。....
三国志」より 著者:吉川英治
を派して輿を途中から連れもどし、そのまま、もとの深窓に封じてしまった、――あの花嫁御寮なのである。 花嫁はまだ小さい。 国と国の政略も知らない。戦争がどこに....
私本太平記」より 著者:吉川英治
武者所から退がって来た。 「ほう。このおびただしい荷は、どこから来たのか。なに、嫁御寮の実家からだと」 いま、屋敷の式台をのぼった彼は、足の踏みばもないほどな....
黒田如水」より 著者:吉川英治
縁故とかいうが、そうなのかえ」 「はい」 「ではあの、やがてご家中に、伊丹|亘の嫁御寮にでもなるのであろ」 「ま。あんなことを」 彼女はわけもなく赧くなった―....