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「嫉む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

嫉むの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
を教えたが特《ひと》り糞を埋むる秘訣のみは伝えず、これを怨《うら》んで虎今に猫を嫉むとカンボジアの俗信ずと。また同国で言うは虎|故《ゆえ》なく村に入るは伝染病流....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ならぬ、恨み恨み彼の顔を眺むれば彼も余と秀子との間に何か親密な話でも有ったのかと嫉む様に余の顔を見る、余「イヤ権田さん」時介「イヤ丸部さん」と互いに挨拶の言葉だ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
さらに大学出仕を仰せ付けられたほどの閲歴をもつ人であるが、あまりに昇進の早いのを嫉む同輩のために讒せられて、山口藩和歌山藩等にお預けの身となったような境涯をも踏....
」より 著者:島崎藤村
こうある仏蘭西人の物語の中にあった言葉を胸に浮べて、三吉は心に悲しく思った。男が嫉む――それが自分のことだと感じた時は、彼は自分の性質を恥じずにいられなかった。....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
なるぞ」など騒ぎました。すると、その連中の中に、この事を口惜しがり、富五郎の芸を嫉むものがあって、私に湯呑の中に水銀を容れて富五郎に飲ませたものがあったのです。....
雑沓」より 著者:宮本百合子
学へ行ったときね、学生に向って第一に云ったことは、私は君等を嫉妬する。そう、深く嫉む。何故なら君達は、若いから。そう云う言葉を云ったんだって。――本当に未来は我....
家常茶飯 附・現代思想」より 著者:森鴎外
立たないようにしたいものです。葬の方なら、少しは盛大にしたって好いのです。死人を嫉むものはありませんから。 姉。それはそうでございますね。死人なら誰も嫉みは致し....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
あるように、女が心から嫉《ねた》みを感ずるのもやはり女であります。本来、女が男を嫉むということは、有り得べからざることなんですが、そういうことがあるのは、男と女....
死者の書」より 著者:折口信夫
言うもの。此身が、段々なり上ると、うま人までがおのずとやっこ心になり居って、いや嫉むの、そねむの。 家持は、此が多聞天か、と心に問いかけて居た。だがどうも、そう....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
るから、どこで逢うことにしているのか言ってやってもいいが、そうすると仲間の奴らが嫉むだろうからな。」 「で、あんたはおかみさんを信用出来るのかい?」と一方の男が....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
くれたのでありましょう。しかるに政府部内にはこの学識深遠にして道徳堅固なる尊者を嫉む者があって、何か折があればこの尊者を亡き者にしたいという考えを持って居る人も....
回顧と展望」より 著者:高木貞治
から,近い将来に彼等がするであろうところの仕事(Arbeiten)に関して,汝を嫉む(beneiden)というのである.このように欧米の数学者が,日本の青年数学....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
生えたるがごとく、自然そのものであります。時たま喧嘩することもありましょう、恨み嫉むこともありましょう、また不平不満を洩すこともありましょう、がしかし彼らは決し....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
心臓を剣で突き刺れて即死したというのだ。過失だともいうし、またある一説には人気を嫉む者か、あるいは女関係の恨みから、肝心の脱け穴をこの日に限って作っておかなかっ....