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「嫋か〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

嫋かの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
古狢」より 著者:泉鏡花
い手と一所に、銚子がしなうように見えて、水色の手絡の円髷が重そうに俯向いた。――嫋かな女だというから、その容子は想像に難くない。欄干に青柳の枝垂るる裡に、例の一....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
れた。 ……幾時間私は眠ったろう…… 何者か私の全身を摩擦している者がある。嫋かではあるが粗い手で私の全身を擦っている。その快い触覚が疲労と苦痛とで麻痺して....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
縁の上へ躍り上がった。構えは? 依然として逆ノ脇! そこへ柳が生えたかのように、嫋かに、少し傾き、縁先まで追って来た頼母を見下ろしている。危ないかな頼母! 左門....
三国志」より 著者:吉川英治
事さや、背の鞍の華麗などはまだいうも愚かであった。その駒に続いて、後ろから歩みも嫋かに、世間の風にも怖れるもののように、楚々と姿をあらわした美人がある。眉の麗し....
私本太平記」より 著者:吉川英治
消え残っていそうな雪にふと出会った思いである。睫毛が濃い。襟くびの細さや総じての嫋かな薄い体つきは、袂の忍び香に交じって涙の香もするようだった。 「お見覚えもな....
私本太平記」より 著者:吉川英治
また、 「あ……?」 と、かろい叫びをあげ、 「嫁女っ」 走り寄って、彼女の嫋かな双肩を抱きしめつつ、その耳へ口を寄せて、いくたびとなくおなじことを言ってい....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
折り燻べながら、お杉ばばは、舟底へいう。 そこの苫の陰には、船頭の妻とも見えぬ嫋かな病人が、つかね髪を木枕にあてて、白い面をなかば、夜具の襟にかくして寝ていた....