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嬢さん
「嬢さん〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嬢さんの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
え?」 婆さんは益疑わしそうに、日本人の容子を窺っていました。 「私の主人の御
嬢さんが、去年の春|行方知れずになった。それを一つ見て貰いたいんだが、――」 ....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
汽車の煤煙の匂は何人《なんびと》も嗅《か》ぎたいと思うはずはない。けれどもあるお
嬢さんの記憶、――五六年|前《まえ》に顔を合せたあるお
嬢さんの記憶などはあの匂を....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
「お早うございます。」
「大分《だいぶ》蒸《む》すようになりましたね。」
「お
嬢さんはいかがですか? 御病気のように聞きましたが、……」
「難有《ありがと》う....
「少年」より 著者:芥川竜之介
まわした。が、生憎《あいにく》どちら側にも空《あ》いている席は一つもない。
「お
嬢さん。ここへおかけなさい。」
宣教師は太い腰を起した。言葉はいかにも手に入っ....
「白」より 著者:芥川竜之介
て来れば、罠《わな》にかかる心配はありません。おまけに青あおした芝生には、幸いお
嬢さんや坊ちゃんもボオル投げをして遊んでいます。それを見た白の嬉しさは何と云えば....
「路上」より 著者:芥川竜之介
の尼寺《あまでら》へでも行ったような心もちがした。
「これは長野のある資産家の御
嬢さんですが、何でも縁談が調わなかったので、発狂したのだとか云う事です。」
「御....
「或る女」より 著者:有島武郎
「そう御苦労よ。家に帰ったらね、きょうは帰りがおそくなるかもしれませんから、お
嬢さんたちだけで校友会にいらっしゃいってそういっておくれ。それから横浜《よこはま....
「星座」より 著者:有島武郎
を唇のあたりに浮べながら。まわりにいる人たちもおぬいに加勢して、あれはあなたのお
嬢さんですよといい張ってくれているのに母は冗談にばかりしているらしかった。おぬい....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
っしょに来るといってたか。 青島 そんなことをいってたようだ。なにしろ堂脇のお
嬢さんていうのには、俺は全く憧憬してしまった。その姿にみとれていたもんで、おやじ....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
が宿って、夕日の光をうけて金剛石のようにきらきら光っていました。 「そこにいるお
嬢さんはねむっていらっしゃるの」 と子どもははじめて死骸に気がついて、おかあさ....
「釣」より 著者:アルテンベルクペーター
「釣なんというものはさぞ退屈なものだろうと、わたしは思うよ。」こう云ったのはお
嬢さんである。大抵お
嬢さんなんというものは、釣のことなんぞは余り知らない。このお....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
婦人ですが、ひとりは年をとっていました。ちょっとみると、お客のなかのお年よりのお
嬢さん、または未亡人の奥さんのお迎えに来て、待っている女中かとおもうでしょう。で....
「もみの木」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
んなことになるのかしら、もみの木はぶるぶるふるえていました。召使たちについて、お
嬢さんたちも出てきて、もみの木のおかざりを、はじめました。枝にはいろがみをきりこ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、一時は大病でね、内の病院に入っていたんです。東京で私が姉妹のようにした、さるお
嬢さんの従兄子でね、あの美術、何、彫刻師なの。国々を修行に歩行いている内、養老の....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
が、すぐ店へ出ると……文金の高島田、銀の平打、高彫の菊簪。十九ばかりの品のあるお
嬢さんが、しっとり寂しいほど、着痩せのした、縞お召に、ゆうぜんの襲着して、藍地糸....