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嬲り
「嬲り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嬲りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「わが町」より 著者:織田作之助
なにをすえたら良えねん?」 「さいな」 〆団治はちょっと考えて、 「――阿呆!
嬲りな。だいたいおまはんは、人の背中ちゅうもんを粗末にするくせがあっていかん。男....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ないかな」 「はい、そうして若様には?」 「実は俺にも見えないのだ」 「さてはお
嬲りなされましたな」 「しかし昨夜はよく見えた」 「それは本当でございますかな」....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
だ! これは生優しい敵ではない! 助かろうとて助かりっこはない! 生け捕られたら
嬲り殺しだ。……相手を屠るということは、俺の体に纏わっている、呪詛を取去くという....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
とたまりもなく腰をぬかしてしまうのだから、それから後は言わば自由の利かない人間を
嬲り殺しにするようなものだった。 「近頃、くろがね天狗の手練が、大いに落ちたよう....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
噛もう、取て噛もう。」と躍りかかる。取着き引着き、十三の茸は、アドを、なやまし、
嬲り嬲り、山伏もともに追込むのが定であるのに。―― 「あれへ、毒々しい半びらきの....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
。 ところがこの怒目主義を採用してから、未荘のひま人はいよいよ附け上がって彼を
嬲り物にした。ちょっと彼の顔を見ると彼等はわざとおッたまげて 「おや、明るくなっ....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
ら、手に持っている槍や刀で捕虜の体を切るのであった。そうしてほとんど一日がかりで
嬲り殺しにするのであった。 今や一人の蛮人が、手に持っている両刃の剣で、ホーキ....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
。それに反して卜翁めは、お前にとっては妹の恩人。その恩人の卜翁を妾は父の敵として
嬲り殺しにしているのだよ。……遠慮はいらない明瞭とお云い! 妾に従くか卜翁に従く....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
サンヒドリンの議員やパリサイ人や、祭司長カヤパは夜の明ける迄、愉快そうにイエスを
嬲り物にした。 やがて夜が明けて朝となった。羅馬公庁ピラトの邸へ、カヤパ達はイ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
々人間は云わばあとからあとへ生れて来る愚にもつかない幻影に魅せられて、永久にその
嬲りものになっているのだ。 ところで私は年をとると、物ごとの怖ろしい惨めさ、努....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
もお浦だ、女の分際で、色仕掛けで俺を騙り、殺そうとは! どうともして引っ捕らえ、
嬲り殺しにしてやらなけりゃア!) 川から上がりたい、水から出たいと、彼は縋って....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
陣十郎は居りまするし、猪之松親分の乾兒も居り、貴郎様にはすぐに露見、捕らえられて
嬲り殺し! ……ご発足など出来ますものか」 しかし主水としては敵の情婦に、介抱....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
は、憤りと怨みとに顫えを帯びて来た。「大弐の遺児の兄弟三人、紋也と小次郎と鈴江を
嬲り殺しにいたさないことには、胸の中が晴れませんでござります」
兵馬はまたもや....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
われて来るが、取分けて彼女の生れた江戸時代にはこの掟がきびしかった。主人は家来を
嬲り殺しにしても仔細はない。家来は主人を殺すはおろか、かすり傷ひとつ負わせても死....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
は、熊は賀川の左の頬ぺたを力一ぱいに殴りつけた。 「おい、賀川、貴様は大阪市民を
嬲りものにする積りか? 俺はな、忠君愛国の思想から煙筒の必要を考えてるのだ。――....