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「嬲る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

嬲るの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒百合」より 著者:泉鏡花
見ろ、とは何だ。残酷だな、無慈悲じゃあないか、星が飛んだの、蛍が歩くのと、まるで嬲るようなもんじゃあないか。女の癖に、第一失敬ださ。」 と、声を鋭く判然と言い....
火葬国風景」より 著者:海野十三
すます機嫌がよかった。それだけ八十助は腹が立ってたまらなかった。 「君はこの僕を嬲るつもりだナ。卑劣なことはよし給え」 「ナニ俺が君のことを嬲るって?」鼠谷はわ....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
お前が好きだ。その剽軽な巾着頭、そいつを見ていると好い気持になる」 「何だ俺らを嬲るのけえ」トン公は厭な顔をした。 「怒っちゃいけねえいけねえ。本当のことだ、な....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
盗むように見た。「嬲《なぶ》っちゃアいけない。嬲っちゃアいけない」 「何んの妾が嬲るものか。本当のことを云ってるのさ」――だが嬲ってはいるようである。 「そうか....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
に、かなり参ってしまったのであった。しかし紋也は思い返した。「どこまでもこの俺を嬲る気なのだな」と――で、こだわらずに話しかけた。 「それでは石置き場の空屋敷で....
浮動する地価」より 著者:黒島伝治
の土地を、値切り倒して面白がって買ったように、今度は、若いほかの男が、彼の土地を嬲るように値切りとばした。二束三文だった。 親爺は、もう、親爺としての一生は、....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
をも楽しむことにしているらしい。凄い面がまえにも似もやらず、捕まえた餌物をむしろ嬲るかのように気が長いのである。 「――泣くことはないじゃないか。何も、泣くこと....