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子息
「子息〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
子息の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
幸い、当時若年寄を勤めている板倉|佐渡守《さどのかみ》には、部屋住《へやずみ》の
子息が三人ある。その
子息の一人を跡目《あとめ》にして、養子願さえすれば、公辺《こ....
「星座」より 著者:有島武郎
ようにでもなると、せっかく今までの交際にひびが入ってかえっておもしろくないから、
子息さんがそれほどの秀才なら、卒業の上採用されるという条件で話しこんだら、会社と....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
前髪姿は、芝居でみる忠臣蔵の力弥《りきや》のように美しかった。大身《たいしん》の
子息であるから、かれは山崎平助という二十七歳の中小姓《ちゅうごしょう》と、又蔵と....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
答えた。ゆうべは屋敷に歌留多《かるた》会の催しがあって、親類の人たちや隣り屋敷の
子息や娘や、大供小供をあわせて二十人ほどが寄りあつまって、四ツ(午後十時)を過ぎ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
喜んだ。一種の人質となって多年江戸に住んでいることを余儀なくされた諸大名の奥方や
子息たちは、われ先にと逃げるように国許へ引きあげた。勿論この屋敷でも奥方を領地へ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
かの女はこの無力なおとなしさに対して、多少、解説を求めたい気持になった。 「御
子息さまは……学校の方は……何ですか」 うっかり、何処の学校を、いつ卒業したか....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
の娘御には相違ないてな。いや、婆どのも、かげながら伝え聞いて申しておる。村越の御
子息が、目のあたり立身出世は格別じゃ、が、就中、豪いのはこの働きじゃ。万一この手....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
て、黒塗の門も立木の奥深う、巨寺のようにお建てなされて、東京の御修業さきから、御
子息の喜太郎様が帰らっしゃりましたのに世を譲って、御夫婦一まず御隠居が済みましけ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
なことを言うのは悪いことであろう。しかし一方において、ジョヴァンニ君。君は旧友の
子息である。君のような有望の青年が、この後あるいは君の生死を掌握するかもしれない....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
われていた。かれの父の相原健吉はもう五十近い人品の好い男で、近所の或る藩の士族の
子息だというので土地の者にも尊敬されているばかりか、ここらの村医としては比較的に....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
リモンドはいつも豪奢な生活をして自然にクレオパトラの風があり、わたしはまた公爵の
子息を小姓にして、あたかも十二使徒のうちの一族であり、あるいはこの静かな共和国(....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
かったので、単に金山脈の書入れとでも見たものか、何の沙汰にも及ばなんだ。そうして
子息|藤十郎以下七人は、同年七月二十日、礫刑に処せられ、召使の者等も死罪やら遠流....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
ております。」 「おお、」と片足、胸とともに引いて、見直して、 「これは樹島の御
子息かい。――それとなくおたよりは聞いております。何よりも御機嫌での。」 「御僧....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
その言のごとく、迎えのもの宅より来たりて客あるを告ぐ。そのつぎに、『自分の道楽|
子息の放蕩のやむかやまざるか』をたずねたるに、『やみます』と答えたり。また、その....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
たようにつんとした。 博士はわざと親類書を声高かに読み上げた。 「大審院判事の
子息で弁護士か、姉さんが大学教授法学博士に嫁すとあるから家には小姑はなしか、両親....