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子猫
「子猫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
子猫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
頬を二つ三つ続けて打った。大力に打たれた兼輔は悲しい声をあげて、子供につかまれた
子猫のように、相手の膝の下をくぐって逃げようと這いまわるのを、実雅は足をあげて鞠....
「さようなら」より 著者:田中英光
寝泊まりしている惨めさだったが、ぼくはそのひとを妻にした娘より遙かに好きだった。
子猫みたいにイタズラっぽく精力的なその顔は一面の雀斑《そばかす》で、化粧も棒紅が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ら猫が好きであったが、それが年をとるにつれていよいよ烈しくなって、この頃では親猫
子猫あわせて十五六匹を飼っていた。勿論、猫を飼うのは彼女の自由で、誰もあらためて....
「斜陽」より 著者:太宰治
、 「面白い言葉ね。札つきなら、かえって安全でいいじゃないの。鈴を首にさげている
子猫みたいで可愛らしいくらい。札のついていない不良が、こわいんです」 「そうかし....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
も、やはりそれを見て笑ったそうである。(大正十一年四月、渋柿) *
子猫が勢いに乗じて高い樹のそらに上ったが、おりることができなくなって困っている。....
「ねずみと猫」より 著者:寺田寅彦
りに興味のない私はつい縁の下をのぞいて見るだけの事もしないでいた。 そのうちに
子猫はだんだんに生長して時々庭の芝生の上に姿を見せるようになった。青く芽を吹いた....
「子猫」より 著者:寺田寅彦
まれで、玉のほうは二三か月おそく生まれた。宅へもらわれて来たころはまだほんとうの
子猫であったが、わずかな月日の間にもう立派な親猫になってしまった。いつまでも
子猫....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
お流れをみんな健啖な道化師の玉が頂戴するのであった。 満七年の間に三十匹ほどの
子猫の母となった。最後の産のあとで目立って毛が脱けた。次第に食欲がなくなり元気が....
「破片」より 著者:寺田寅彦
がほしい」とはなはだ深刻な皮肉を言う場面がある。 このごろ、のら猫の連れていた
子猫のうちの一匹がどうしたわけか家の中へはいり込んで来て、いくら追い出しても追い....
「怪塔王」より 著者:海野十三
いもあらくなってまいりました。一彦少年はというと、これは体をちぢめて、鼠をねらう
子猫のようなかっこうに見えました。 足音をしのばせながら、螺旋階段を一段ずつの....
「さまよえるユダヤ人の手記より」より 著者:寺田寅彦
方橋の上に涼みに来る人と相対して楽に話が出来るくらいである。 宿の主人が一匹の
子猫の頸をつまんでぶら下げながら橋の向う側の袂へ行ってぽいとそれをほうり出した。....
「義猫の塚」より 著者:田中貢太郎
へ出てみた。すると、すぐ眼の下になった怒濤の中に、船の破片らしい一枚の板に一匹の
子猫がしがみついているのが見える。そこで住職は山をかけおりて漁師の家へ往って、 ....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
、なでしこ、パンジイ、よもぎなど、古風な香りゆたかな花や、小鳥の餌になるはこべ、
子猫のためのいぬはっかなどをうえました。エミイは、小さくはあるが、かわいいあずま....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
いられる故、のちにゆずり、ただ 枯菊に尚愛憎や紅と黄と より江 秋風にやりし
子猫のたよりきく 同 の二句に氏のデリケートな性格、あくどい悩や執着のないさ....
「はつ恋」より 著者:神西清
子に、拍車を打合せて、サーベルの釣輪をがちゃりと鳴らした。 「昨日あなたは、縞の
子猫で大きな耳をしているのが欲しいと仰せでありましたから……このとおり、手に入れ....