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子雀
「子雀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
子雀の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「職工と微笑」より 著者:松永延造
もう自分が大変に悪い女になっているのを愍傷しつつ、せめてもの罪滅ぼしに遊んでいる
子雀へ米を投げてやりました。 けれど、もう駄目だったのです。鏡を見ても、耻かし....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
そらく、枝から風にゆられて、落ちてきたのでしょう。これを見つけた犬は、今にもその
子雀を喞えようとします。すると、にわかにどこからともなく親雀が飛んで来て、まるで....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
鼻先に差出した。 ――小さい雀の子。」 夫人は邪魔ものゝように三角の口を開けた
子雀の毛の一つまみを握り取って煙草の吸殻入れの壺の中へ投げ込んでしまった。無雑作....
「魔都」より 著者:久生十蘭
獲物を嗅ぎつけた時のような忍び足になった。見ると、道の向いに、嘴のまわりの黄色い
子雀がいた。頭に生毛が生えている。
子雀は巣から振落されて動けずにいるのだ。犬は静....
「おせん」より 著者:邦枝完二
ァいねえの」 こおろぎの音も細々と明け暮れて、風に乱れる芒叢に、三つ四つ五つ、
子雀の飛び交うさまも、いとど憐れの秋ながら、ここ谷中の草道ばかりは、枯野も落葉も....
「夕立」より 著者:永井荷風
、日頃は人をも恐れぬ小禽《ことり》の樹間に逃惑うさまいと興あり。巣立して間もなき
子雀蝉とともに家の中《うち》に迷入ること珍らしからず。是れ無聊を慰むる一快事たり。....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
しいその仲を割って、 「時刻です。……さ、ご乗船を」 と、渡り板へ追い立てた。
子雀の小笊を持った宮の姿は、待ちもうけていた武士に迎え取られて、すぐ船牢の鎖の内....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
のような木を一本|栽え、それに巣箱を引掛けて三回ほど雛を孵させて見たところでは、
子雀の時代にいつもこの巣箱の附近へ、集まって来る者がちょうど一腹の数ほどあった。....
「小説のタネ」より 著者:吉川英治
偈(詩)が書いてある。ちょうど居合せた田山方南氏に読んでもらうと、つまりそれは「
子雀の死を弔う」という詩なんです。一休が雀の子を飼っていたとみえる。その
子雀が死....