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「孕む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

孕むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
三枚続」より 著者:泉鏡花
を流産したといって、云々する者もあるけれども、経典に言わずや、鶴は相見てすなわち孕む、それ歌人はこの濁世に処して、あたかも鳶烏の中における鶴のごときものであるか....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
ないよ。アハハハと笑って、陽気に怯かす……その、その辺を女が通ると、ひとりでに押孕む……」 「馬鹿あこけ、あいつ等。」 と額にびくびくと皺を刻み、痩腕を突張っ....
遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
て、その威の都会に及び難きものあるもまた妙なり。山男に生捕られて、ついにその児を孕むものあり、昏迷して里に出でずと云う。かくのごときは根子立の姉のみ。その面赤し....
灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
かやっていたそうですが、なんしろ相手がよくない船乗りのことで、定石どおり、子供は孕む、情夫には捨てられたということになって、半年ほど前に、すごすご帰って来たんで....
南極の怪事」より 著者:押川春浪
もしてそこに到らぬ前に船を停めんと苦心焦慮せり。オオこの風! この風! この風を孕む大檣の帆をすら降さば、船は停止せぬまでもその進行|緩かにならん、進行の緩かと....
好奇心」より 著者:織田作之助
取る外科手術! 好奇心は満足され、自虐の喜悦、そして「美貌」という素晴らしい子を孕む。しかし必ず死ぬと決った手術だ。 やはり宮枝は慄く、男はみな殺人魔。柔道を....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
もえない者でございます」 まずこれくらいで宜しかろう。だが、せっかく新しい嵐を孕む雲が、地平線の上に群がり、絶対の必要として、誰かがアイルランド総督に任命され....
久坂葉子の誕生と死亡」より 著者:久坂葉子
華々しきを発表した後にうけたショックで、すぐに書くことをよさなかった。そして、「孕む」という小説をかきはじめた。二三行。もうその先が出て来ないのだ。何度も二三行....
競漕」より 著者:久米正雄
しに、窪田の思い通りにそれに従い初めた。窪田の物倦げに垂れた眼瞼の奥には、勝利を孕む幾多の画策が黙々として匿されてあった。けれども彼は一言もそれを口に出さなかっ....
メデューサの首」より 著者:小酒井不木
い、あなたはなぜメデューサの首を妊娠したのだと信ずるのですか。人間がそんな怪物を孕むということは絶対にあり得ないではありませぬか」 と訊ねました。 これを聞....
原爆詩集」より 著者:峠三吉
く 太股に崩れる痣をかくさぬ ひろしまよ 原爆が不毛の隆起を遺すおまえの夜 女は孕むことを忘れ おれの精虫は尻尾を喪い ひろしまの中の煌めく租借地 比治山公園の....
クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
を注意すれば足りる。前にも述べた通り、文化の単なる向上という言葉はすでに多義性を孕むに至っている。文化は単に向上するばかりでなく、進歩しなければならないと云われ....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
、それ自身として見れば、忠良なる国家の成員の動揺を意味し、内政上又国防上の危険を孕むものではあるが、之を道徳問題に転化することによって、禍は転じて福となるのであ....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
又、夫々のスタイルの内に、筆者の個性と取り扱う対象の相違とによって、独特の風格を孕むことになる。この点文学の所謂ジャンル乃至所謂スタイルの場合と殆んど変らないと....
社会時評」より 著者:戸坂潤
及び領内水路を×すこと八件もの多きに及んでいるが、之は日ソ国交上「重大な結果」を孕むものと信じる。日満軍隊艦船が領土水路を×した場合、ソヴィエト政府は日本政府の....