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孫娘
「孫娘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
孫娘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
きとう》をあげ始めたそうです。
それがおよそ十分あまりも続いてから、祖母は静に
孫娘を抱き起すと、怖がるのを頻《しき》りになだめなだめ、自分の隣に坐らせました。....
「富士」より 著者:岡本かの子
では、あなたが、あの偉大な山の祖慫神《おやのかみ》さまの一番の孫なのですよ」と。
孫娘はおさな心に高い誇りを感じた。 ふた親は、なお、祖父の神の偉大さを語るにこ....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
一 そのときに三浦の家来はこういうことをも自慢そうに話した。 主人三浦介の
孫娘に衣笠《きぬがさ》というのがある。自分の代々住んでいる城の名を呼ばせるくらい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
第六天の門前に小さい駄菓子屋があります。おそよという婆さんと、お花という十三四の
孫娘の二人暮らしで、その二階の三畳にお角はくすぶっているのです」 「商売は巾着切....
「わが町」より 著者:織田作之助
かった。夜どおし想いつづけ、翌日小屋に来て誰彼を掴えて、その奇妙な俥ひきの祖父と
孫娘のことを語っているのを、玉堂がきいて、あ、それなら知っている僕の路地にいる男....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
もう再び姿をみせなかった。 娘は生長して管営指揮使の妻となり、のちに呉の燕王の
孫娘の乳母となって、百二十歳の寿を保った。 小龍 宗立本は登州|黄県の人....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
目を瞑るだ。」 「ええ、縁起の悪い事を言わさる。……明日にも江戸へ帰って、可愛い
孫娘の顔を見るまでは、死んでもなかなか目は瞑らぬ。」 「さてさて捻るわ、ソレそこ....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
まで少し寝ますよ」 わがままらしく彼女は袴をとりだした。祖母は今着いたばかりの
孫娘の、元気のない真青な顔を見るといとしそうに、 「オーそうだろう、長い旅でも汽....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の垣向うが、久八の家の台所になっているだろう。八時半頃其処で立ち働いていた久八の
孫娘が、朔郎が時計を直している音を聴いたと云うのだ。最初に八時を打たせて、それか....
「風波」より 著者:井上紅梅
、また煎り豆を出して食べおるわい。これじゃ子供に食いつぶされてしまうわ」 彼の
孫娘の六斤はちょうど、一掴みの煎り豆を握って真正面から馳け出して来たが、この様子....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
にも及んで来ると、雪洞の灯がドロリとしたぬくもりで覆われてしまうのだった。然し、
孫娘の光子にはそんな懸念は露程もないと見え、朝から家を外にの、乳母子のような燥し....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
るとあれほど固かった、信念がぐらぐらに揺ぎだしてくるのだ。 しかし祖母の眼は、
孫娘をみると和らぎと愛に、一度は、渇いてかさかさになったのが濡れはじめすうっと頬....
「馬妖記」より 著者:岡本綺堂
さい姿をあらわしたのは、おもよが改めて紹介するまでもなく、ことし十六になるという
孫娘のおらちであることを、茂左衛門はすぐに覚った。おらちは物に怖じるような落ちつ....
「わが町」より 著者:織田作之助
いわれるくらいの器量よしになっていた。 マニラへ行く前から黒かったという他吉の
孫娘と思えぬほど色も白く、あれで手に霜焼、皸さえ無ければ申し分ないのだがといわれ....
「月夜とめがね」より 著者:小川未明
、自分のわかいじぶんのことや、また、遠方のしんせきのことや、はなれてくらしている
孫娘のことなどを、空想していたのであります。 目ざまし時計の音が、カタ、コト、....