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孫子
「孫子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
孫子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
たので閉口した。ちょっと嗅《か》いでも胸が悪くなる。福引の景品に、能代塗の箸は、
孫子の代まで禁物だと、しみじみ悟ったのはこの時である。
籤ができあがると、原君....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
《しお》るるまでに哀れを催し、「そうして爺さん稼人《かせぎて》はおめえばかりか、
孫子はねえのかい」 優しく謂《い》われて、老車夫は涙ぐみぬ。 「へい、ありがと....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
子の死刑を主張したのは此の己だが、其の罪が夏子でなかったとすれば重々己の過ちだ、
孫子の末まで裁判官などを勤めさせる者ではない、それに就けても憎いのはアノ高輪田長....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
にもう死にかかった病人で、翌日も待たないという容体なんです。 六十近い老人で、
孫子はもとより、親類らしい者もない、全然やもめで、実際形影相弔うというその影も、....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
自分には分らないが、歌は武将としては上乗の部であろう。 又|経書兵書に通じ、『
孫子』を愛読して、その軍旗に『
孫子』軍争編の妙語「|疾如山」を二行に書かせて、川....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
曲輪三分の一が曝涼の場所にあてられた。 楯無しの鎧。日の丸の旗。諏訪神号の旗。
孫子の旗。渡唐天神像。不動像(信玄自身を刻んだもの)。朱地に黒く武田菱を三つ染め....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
はないか、と胴の間、狭間、帆柱の根、錨綱の下までも、あなぐり探いたものなれども、
孫子は措け、僧都においては、久しく心にも掛けませいで、一向に不案内じゃ。 侍女一....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
じゃ、と云うのでござりますよ。」 四 「それではお婆さん楽隠居だ。
孫子がさぞ大勢あんなさろうね。」 と小次郎法師は、話を聞き聞き、子産石の方を覗....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
。」 この時|婦人は一息つきたり。可哀なるこの物語は、土地の人|口碑に伝えて、
孫子に語り聞かす、一種のお伽譚なりけるが、ここをば語るには、誰もかくすなりとぞ。....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
って丸くないことは、彼の行いの一つの汚点だ。しかしそれもまもなく解ってしまった、
孫子であればこそ丸い輪が本当に書けるんだ。そう思って彼は睡りに就いた。 ところ....
「競漕」より 著者:久米正雄
話は遠漕中の失策とか、練習中の逸話とかであった。そしてその合間合間に「短艇なぞは
孫子の代までやらせるもんじゃない」とか、「もう死ぬまで櫂は握りたくない」とか言う....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
成らぬと、何につけても道を急ぐので有った。 布川から布佐へ、それから中峠から我
孫子へ出て行く竜次郎の見込みで有ったので、市崎から、椎塚下、畑や田の間の抜路々々....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
けて囲み撃つという計略であった。守ること固きものは誘うて之を撃つ、我が塚田巡査は
孫子の兵法を心得ていた。 ※は果して人間よりも愚であった。松明の火が消されると....
「西航日録」より 著者:井上円了
すでにアイルランドに小富士あるを聞けり。これをみるに、果たしてしかり。 我富士の
孫子を見るや今日の旅 海上四時間にして着港す。ホーリーヘッドより車行一時間にし....
「紅すずめ」より 著者:小川未明
すために、笛を吹いたり、笙を鳴らしたり、また歌をうたったりしたのでした。それで、
孫子の代までも、こんないい鳴き声が出されるようになったのです。あなたたちの先祖は....