守り袋[語句情報] » 守り袋

「守り袋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

守り袋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
れまじく候《そうろう》。されど、今は親しくお目にもかかれぬ身、お礼のかわりにこの守り袋お届け候まま、わが身と思うて、たいせつにご所持なさるべく、はよう年季勤めあ....
渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
のは、村で薪出しをしているお母《ふくろ》だけだ。 彼は、お母がこしらえてくれた守り袋を肌につけていた。新しい白木綿で縫った、かなり大きい袋だった。それが、垢《....
押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
のオセキ婆さんの方が、お母様のお作りになった絞りの横掛けや、金襴《きんらん》のお守り袋なぞを頂いて田舎で売って儲《もう》けていたとの事でした。夏なぞは御自分でお....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
繰りあげてあった。いよいよその日も近づいて、継母のおまんは半蔵のために青地の錦の守り袋を縫い、妻のお民は晒木綿の胴巻きなぞを縫ったが、それを見る半蔵の胸にはなん....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
なえがたいことを教えて置いて行こうとしてあった。手回しのいいこの和尚はすでに旅の守り袋を用意したと言って、青地の錦の切地で造ったものをそこへ取り出して見せた。梵....
風流仏」より 著者:幸田露伴
露霜のやがて消ぬべきを悟り、お辰|素性のあらまし慄う筆のにじむ墨に覚束なく認めて守り袋に父が書き捨の短冊一トひらと共に蔵めやりて、明日をもしれぬ我がなき後頼りな....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
房枝は、スミ枝に目くばせをすると、手つだってもらって、黒川の胸にかけてあったお守り袋の紐を切り、そっとはずした。 房枝の手は、ぶるぶるとふるえている。やはり....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、先代弾正の筆に紛れもない。与八も奇異なる思いをしながら、それをほどいて見ると、守り袋が一つと、涎掛《よだれかけ》が一枚ありました。その守り袋を開いて見ると臍《....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
か、どかっと尻もちを突いた。 と云うのは、なんとそのお岩が後向きであって、ただ守り袋をさしつける人形の作り手のみが、ひょいと不器用な、動きかたをしたにすぎなか....
けしの圃」より 著者:小川未明
門の外に出たかと思うと、いつのまにかおまえの姿が見えなくなった。おまえの帯にはお守り袋がついていて、それに名まえが書いてあるから、迷ったならだれか連れてきてくれ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
高氏は慌てていた。 彼女の手へ渡したのは、旅に立つ日、母から賜わった地蔵菩薩の守り袋だった。藤夜叉はそれを持つと、梅をくぐッて、梅ばやしの向うへ走った。白いも....
私本太平記」より 著者:吉川英治
相構へて二|度見奉つらばやと言ふに、我が額の髪を切つて妻に与へ、妻の髪をば、わが守り袋に入れ、犬射ノ馬場にて死ぬ日まで肌身に持つて候ひし……」 見るまにその形....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ことばを書きつづった。そして、いちど封じかけたが、また、なに思ったか、ふところの守り袋を出して眺めていた。 ――それは十一年前、初めて、高氏とここで会ったとき....
私本太平記」より 著者:吉川英治
これを持って」 と、なにか手の中に入るほどな小さい物を渡した。路銀であろうか、守り袋に秘めた書状でもあろうか。蔦王には眼にも見えなかった。そのうえ彼は、恐ろし....
大岡越前」より 著者:吉川英治
が、市十郎が、そのお方の好意にたいしても、勿体ないといって、以来、お燕の腰紐に、守り袋と一しょに提げさせていた。 「あっ、泥棒ッ。――泥棒泥棒っ」 礫のように....