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「守中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

守中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ろ》に頭を振りながら、 「しかし何もこう云ったからと云って、彼が私《わたし》の留守中《るすちゅう》に故人になったと云う次第じゃありません。ただ、かれこれ一年ばか....
路上」より 著者:芥川竜之介
制服を和服に着換《きかえ》ると、まず青い蓋《かさ》をかけた卓上電燈の光の下で、留守中《るすちゅう》に届いていた郵便へ眼を通した。その一つは野村《のむら》の手紙で....
婦系図」より 著者:泉鏡花
の出入に、茶の給仕さえ鞠子はあやしい、と早瀬は四辺を※したが――後で知れた――留守中は、実家の抱車夫が夜|宿りに来て、昼はその女房が来ていたので。昼飯の時に分っ....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
妻の母は心配そうな顔をしているが、僕のことは何にも尋ねないで、孫どもが僕の留守中にいたずらであったことを語り、庭のいちじくが熟しかけたので、取りたがって、見....
深夜の市長」より 著者:海野十三
れでも怪訝に思いながら、我が家の締りを外して、中に入った。電灯をつけてみたが、留守中別に異状はあった様子もない。まず安心と思い、それから持ってかえった証拠物件を....
少年探偵長」より 著者:海野十三
かねばならぬからだじゃ。そこで、近所のものに怪しまれてはならぬと思って、わしの留守中は、いつもあの男に影武者をつとめさせていたのじゃ。それがあのようなことになっ....
火星兵団」より 著者:海野十三
よくお聞き。さっきも言ったように、かねて注意を払っておいたモロー彗星が、わしの留守中、急に進路を変えたのだ。その結果モロー彗星の新しい進路は、これから地球が通っ....
紅玉」より 著者:泉鏡花
つい、心得違いな事をはじめました。あの……後で、御前様が御旅行を遊ばしましたお留守中は、お邸にも御用が少うございますものですから、自分の買もの、用達しだの、何の....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
、迎えに出もせず、小屋のなかに蒼い顔をしてジッと座っているのを発見した。彼は、留守中なにごとかあったのだなと、すぐ悟った。 「いやに元気がないじゃないか。どうし....
ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
広告料や、Oの二三の本の印税や、あちこちから受ける補助やで、やっとどうにかOの留守中を凌いでいったのでした。その経済状態はみんなによくわかっていました。茶の間の....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
が見知越でいたのだった。 ちょうど戦争のあった年でね。 主人は戦地へ行って留守中。その時分、三才だった健坊と云うのが、梅雨あけ頃から咳が出て、塩梅が悪いんで....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
財政は依然として余り楽にもならず、後で述べるように、デビーが欧洲大陸へ旅行した留守中につぶれかけたこともあり、一八三〇年頃までは中々に苦しかった。 かように、....
感応」より 著者:岩村透
当たる青年も、その時自ら軍隊に加って、義勇兵として戦場に臨んだのであった。その留守中のこと、或晩|最早家の人も寝鎮って、夜も大分|更けた頃に、不図戸外で「お母さ....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
していたと反して、私は初めから爾うは思っていなかった。 秋の末に帰京すると、留守中の来訪者の名刺の中に意外にも長谷川辰之助の名を発見してあたかも酸を懐うて梅実....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
擽ぐったい記事が載っていた。今なら女優を想わしめるジャラクラした沼南夫人が長い留守中の孤独に堪えられなかったというは、さもありそうな気もするが、マサカに世間で評....