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「守銭奴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

守銭奴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の盗賊」より 著者:太宰治
、着物の裾《すそ》まわしのすり切れないよう、用心している形なのである。人は、私の守銭奴《しゅせんど》ぶりに、呆《あき》れて、憫笑《びんしょう》をもらしているかも....
古典風」より 著者:太宰治
ップは、よだれ受け。S、阿呆《あほう》。学校だけは出ました。U、半死。あの若さで守銭奴とは。O君はよい。男ぶりだけでも。 ○昼は消えつつものをこそ思う。 ○水戸....
道草」より 著者:夏目漱石
してそんな暇があるのだろうと驚ろいた。そうして自分の時間に対する態度が、あたかも守銭奴のそれに似通っている事には、まるで気がつかなかった。 自然の勢い彼は社交....
善の研究」より 著者:西田幾多郎
その心の底には観念的欲望が働いている。即ちいかなる人も何らかの理想を抱いて居る。守銭奴の利を貪《むさぼ》るのも一種の理想より来るのである。つまり人間は肉体の上に....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
「これです。」ルキーンは忌々し気に云った。「これがラザレフ唯一の趣味なんですよ。守銭奴です。こいつは。だから、可哀そうなもんですぜ。電燈料を吝んでいるのですから....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
時の彼の無念そうな様子には、神戸氏も一驚を喫したのだった。 要するに彼は一種の守銭奴だったらしい。 或場合には狂的に金を出す事を惜しんだのである。彼の数々の....
斜陽」より 著者:太宰治
まかしちゃいけねえ。 しかし、僕たちの階級にも、ろくな奴がいない。白痴、幽霊、守銭奴、狂犬、ほら吹き、ゴザイマスル、雲の上から小便。 死ね! という言葉を与....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
たずねて取返さん、とひどい決意を固めてしまった。 けれども青砥は、決して卑しい守銭奴ではない。質素倹約、清廉潔白の官吏である。一汁一菜、しかも、日に三度などは....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
マゾフだからね。ここに君たちカラマゾフ一族の問題が潜んでいるのさ。――好色漢と、守銭奴と、宗教的奇人《ユロージウイ》か! 今イワン君は無神論者のくせに、何か恐ろ....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
たらにベタベタ、からんだり吸ひついたり、理想などゝいふものは何一つない。たゞもう守銭奴であり、大酒のみであり、大助平である以外に何もない。 ベタ/\モチャ/\....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
た。内実この有様であるからやむを得ず拒絶すると、それらの人々の中には不人情だとか守銭奴だとか悪声を放つ者もあった。 もう一つ忘れることの出来ないのは、友人某氏....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
のであったが、なるほどこれなら貯金は出来るであろうが、人間味はどこにあるか、全く守銭奴となって、世にも人にもつまはじきされ、生き甲斐なく淋しい一生を送らねばなる....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
郎を春廼舎に紹介したのもやはり二葉亭であった。矢崎は明治十九年の十月には処女作『守銭奴の肚』を公けにし、続いて同じ年の暮れに『ひとよぎり』を出版し、二葉亭に先ん....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
こちょう》の小家に住んでいる。清岡は駒田の事を爪《つめ》に火をともす流儀の古風な守銭奴《しゅせんど》だと思っている。 「駒田君。帰るなら一緒に出よう。まだ時間は....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
新元素を造ったそうだ」 こんな話題の主はすべてが学界のけちんぼである。知的財の守銭奴である。 斯界の権威をもってみずから任じ、象牙の塔にこもって庶民を見くだ....