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安かろう
「安かろう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
安かろうの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
したのである、これ円本は正に文教を賊するもの 自己のタメに成る良書を買わないで「
安かろう悪かろう」の全集物を買うコケ共の無智は憫むべく、これを買わせる事にした円....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
い阿闍梨の教化を受けましたら、現世《げんせ》はともあれ、せめて来世《らいせ》は心
安かろうにと、唯そればかりを念じておりまする」と、玉藻の声はすこしく陰った。 ....
「こころ」より 著者:夏目漱石
っては、ただ迷うだけであった。その上|価《あたい》が極《きわ》めて不定であった。
安かろうと思って聞くと、非常に高かったり、高かろうと考えて、聞かずにいると、かえ....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
で、「例の殺人教唆の無政府主義者」云々で押し通していた。 サボタージュにも、「
安かろう悪かろう」の意味の消極的のものもあれば、「生産妨害」の意味の積極的のもあ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、 「半月もお世話になって十八文じゃ、あんまり安い」 「生意気なことを言うな、
安かろうと高かろうとこっちの売物《うりもの》だ」 「先生、そんなことを言わねえで....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
込んで、腹巻かなにかにおさめているに違いない。タカが熊の皮の一枚、高かろうとも、
安かろうとも、はたで心配するほどに持扱いもしなかったろう。いくらで売りつけられて....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
お直ひとりだな。オレの目の睨んだところではそうだ。どうだな。三円の見料はいよいよ
安かろう。加十のことを訊きだすならお直のところだが、それをお直に訊いたところで、....
「桂馬の幻想」より 著者:坂口安吾
ーをカタにおくことにしよう。女房の手編みで甚だくたびれたセーターだが、二十円なら
安かろう」 娘も承諾して、野村のぬいだセーターを片腕にくるくるまきつけて戻って....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
今までは一流百貨店では、特価品なるものはあまり取扱わなかった。特価品はすなわち「
安かろう悪かろう」の品であるから、信用上取扱えなかったのである。 しかるに今日....
「食べもの」より 著者:佐藤垢石
わねえ』というのはまことに相手にしにくい。いくらいくらと言って貰えば、高かろうが
安かろうが、その通り支払うのであるが、この返答には当惑する。まるで見当がつかない....
「西航日録」より 著者:井上円了
一昼夜三食を合して、悉皆七フラン(わが二円八十銭)の旅宿料なり。しかるに、諺に「
安かろう悪かろう」といえるがごとく、夜中南京虫に攻められ、ほとんど安眠を得ざるに....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
松千代は、筑前の手許へ預けおくことにする。筑前の手に養い置かれれば、其方とても心
安かろうが」 と、思い遣りを示した。 「ありがとう存じまする」 官兵衛はそう....