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「安まる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

安まるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
運命論者」より 著者:国木田独歩
黙って信じてお呉《く》れ。それでないと私が心細い。』 『母上《おっかさん》の気が安まるのなら信仰も仕ましょうが、それなら私よりもお里の方が可《い》いでしょう。』....
モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
と思っていたデュパンはこう言った。「勝手にしゃべらせておくさ。それでご自分の気が安まるだろうよ。僕は奴《やっこ》さんの城内で奴さんをうち負かしてやったのだから満....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
に、その天稟の武威を振い出した。 十六歳の時から桶狭間合戦の二十七歳までは席の安まる間もなく戦塵をあびて、自らの地盤を確保するに余念がなかった。 元来織田氏....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
。どうぞ私を許してください。 親鸞 仏様が許してくださいましょう。あなたのお心が安まるために、私も許すと申しましょう。あなたが私に悪い事をなすったのなら。けれど....
蒲団」より 著者:田山花袋
痛とを半ば忘れて了った。有力な敵があっても、その恋人をだに占領すれば、それで心の安まるのは恋する者の常態である。 「大変に遅くなって了って……」 いかにも遣瀬....
トコヨゴヨミ」より 著者:田山花袋
えていることは何も彼も知っている。こう思うと、怖くって仕方がなかった。片時も心の安まる時がなかった。自分は何もわるいことはしないのだけれど、今までのことが既に大....
連城」より 著者:田中貢太郎
ではそれを知ったけれども如何ともすることができなかった。そこでとうとう連城も心が安まるようになった。 連城は起きてから、いつも賓娘のことを念って、使をやって探....
次郎物語」より 著者:下村湖人
切は、よくわかっていますが、何といっても、兄弟三人そろっていて貰う方が、私も気が安まるのでね。一人残して置いたんでは、夜もおちおち眠れまいと思うのだよ。」 み....
地上」より 著者:島田清次郎
ミケルアンジェロやを思えば少しは心も安まろうという人もある。しかしあべこべです。安まるどころか威圧されて悲しくなって物も言う元気もなくなります。その日その日の生....
六号室」より 著者:瀬沼夏葉
く溜息して云うには。 『たとい信じなくとも、祈祷をすると、何とも云われん位、心が安まる、君、接吻し給え。』 アンドレイ、エヒミチは体裁悪く思いながら、聖像に接....
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
泣きはらしていたし、始終どこかへ外出がちであった。可哀そうに、どこへ行っても心は安まるまいに、などと人々は話し合っていた。その頃、彼は非常な美男子で、女にかけて....
」より 著者:神西清
私は四時間がかりで妻の書類を点検し、その意味を判じ、誤りを正した。が、それで心が安まるどころか、私は自分の背後に誰か他人が立って、ざらざらしたてのひらで私の背中....
ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
とというものは、いいにしろ悪いにしろ、とにかくどっちつかずでいるより、少しは気が安まるもの。あたしにまかせてちょうだい、いい子だから。 ソーニャ ええ、ええ。じ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
は専用の雪白の湯槽の中に長々と仰向きになった私自身であった。船中でも入浴ほど心の安まるものはない。私は湯にひたり、薄紅い角の石鹸をいつまでも私の両掌の中に弄んで....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
にも困った問題に触れはせぬかと、常に戦々兢々として、寝ても、覚めても、少しも心の安まる暇はありません。親戚故旧と書信の取り遣りをするにしても、懇意な友人を訪問す....