»
安慰
「安慰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
安慰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
理想を粉砕した。が、それと同時にまた、僕の責任が急に軽くなったような、悲しむべき
安慰《あんい》の感情を味った事もまた事実だった。』三浦がこう語り終った時、丁度向....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
ことである。 哀む者は福なり、其故如何? 将さに現われんとする天国に於て其人は
安慰を得べければ也とのことである。 柔和なる者は福なり、其人はキリストが再び世....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
動は忽ちにして凋衰を来す事多きのみならず、或は死に至る事あり。故に老人に対しては
安慰と快楽とを与うるは壮年者の大責任たり。依て
安慰、滋養品、運動との三は、実に相....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
が悪いじゃない、幸福が幸福じゃない。どんな人でもやっぱり人間は人間で、それ相応の
安慰と幸福とはある。それに価値もある。何も名誉をおって、一生をあくせく暮らすには....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
をかわして、それぞれ自分の家へ向かった。二人とも切なかった。しかしそれは悲しみと
安慰との混ざり合った感情だった。クリストフは自分の室に一人ぽっちで考えた。 「俺....
「リズムの構造」より 著者:中井正一
あたってその機にみずから身をひるがえして移入せる場合、その身心の脱落における深い
安慰なる緊張、一言にすれば、「内」なる意味の味得である。それは、念々常懺悔ともい....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
《えが》くは瞬時の閑《かん》を偸《ぬす》んで、一弾指頭《いちだんしとう》に脱離の
安慰を読者に与うるの方便である。ただし地球は昔《むか》しより廻転する。明暗は昼夜....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
くない。目尻《めじり》にたえがたいものうさが見える。三四郎はこの活人画から受ける
安慰の念を失った。同時にもしや自分がこの変化の原因ではなかろうかと考えついた。た....
「趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
十丈も煮え騰《あが》る湯煙りの凄《すさま》じき光景が、しばらくは和《やわ》らいで
安慰の念を余が頭に与えた。すべての対照は大抵この二つの結果よりほかには何も生ぜぬ....
「それから」より 著者:夏目漱石
平岡と逢ったら、どんな風に話を切り出そうかと工夫した。代助の意は、三千代に刻下の
安慰を、少しでも与えたい為に外《ほか》ならなかった。けれども、それが為に、却《か....
「『土』に就て」より 著者:夏目漱石
丈《だけ》で、毫《ごう》も神の作ってくれた幸福な人間であるという刺戟《しげき》と
安慰を与え得ないからである。悲劇は恐しいに違ない。けれども普通の悲劇のうちには悲....
「中味と形式」より 著者:夏目漱石
、一種の締括《しめくく》りある二字か三字の記号を本来の区別と心得て満足する連中に
安慰を与えている。以上を一口にして云えば物の内容を知り尽した人間、中味の内に生息....
「二百十日」より 著者:夏目漱石
ている第一の目的は、こう云う文明の怪獣を打ち殺して、金も力もない、平民に幾分でも
安慰を与えるのにあるだろう」 「ある。うん。あるよ」 「あると思うなら、僕といっ....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
ら出る落ちついた、気安い、おとなしやかな空気を愛したのである。 僕が作のために
安慰を得たと云っては、自分ながらおかしく聞こえる。けれども今考えて見てもそれより....
「二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
ぬのだ。 *12 われわれの誠実さを脅かす、無数の怯懦《きょうだ》と
安慰。 僕が育った家。父母、兄たち、姉たち。ここでは、見慣れた家具の類が、家族....