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完
「完〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
完の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
鳴いたからといって、天日《てんじつ》の歩みが止まるものではない。己の八犬伝は必ず
完成するだろう。そうしてその時は、日本が古今に比倫のない大伝奇を持つ時だ。」
....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
御庭へ御下《おお》りになりましたのは、別人でもない堀川の若殿様でございます。(未
完)
(大正七年十一月)....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
品川へ来た。自分は新橋で下りる体《からだ》である。それを知っている友だちは、語り
完《おわ》らない事を虞《おそ》れるように、時々眼を窓の外へ投げながら、やや慌しい....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
めて問う必要はない。己はむしろ、時にはあの女に憎しみさえも感じている。殊に万事が
完《おわ》ってから、泣き伏しているあの女を、無理に抱き起した時などは、袈裟は破廉....
「校正後に」より 著者:芥川竜之介
ものを、小さくまとまりすぎていると言うて非難する人がある。しかし僕は、小さくとも
完成品を作りたいと思っている。芸術の境に未成品はない。大いなる
完成品に至る途《み....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
就《じょうじゅ》したと云うばかりではない。すべてが、彼の道徳上の要求と、ほとんど
完全に一致するような形式で成就した。彼は、事業を
完成した満足を味ったばかりでなく....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
を書く事によって、新小説の編輯者《へんしゅうしゃ》に対する僕の寄稿の責《せめ》を
完《まっと》うしようと思う。もっとも後《のち》になって聞けば、これは「本間さんの....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
んぺい》を、生活難に落して、自分の暮しの苦しさを、わざわざ誇張して、話したのは、
完《まった》く、この済まないような心もちに、煩《わずら》わされた結果である。
「....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
るものではない。いや、我我の自己|欺瞞《ぎまん》は一たび恋愛に陥ったが最後、最も
完全に行われるのである。
アントニイもそう云う例に洩《も》れず、クレオパトラの....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
また自分としても、如上の記述に関する引用書目を挙げて、いささかこの小論文の体裁を
完全にしたいのであるが、生憎《あいにく》そうするだけの余白が残っていない。自分は....
「久米正雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
久米のフォルトたる一面は、そこにあるとさえ云われるでしょう。素朴な抒情味などは、
完くこの田舎者から出ているのです。 序にもう一つ制限を加えましょうか。それは久....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
姿を見たのだからたしかである! 吾々の記憶というものは、この世界などよりも遥かに
完全な世界なのだ。記憶は既に生存していないものに生命をあたえるのだ。 私の手は....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
等の輻射に外ならずというのである。この考こそ後になって、マックスウェルが理論的に
完成し、ヘルツが実験上に確かめた光の電磁気説である。マックスウェルの書いた物の中....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
とは、彼の虚栄心をなみなみならず満足させたものである。そこに立つと、彼は牧師から
完全に勝利をうばいとったような気がしたのだ。たしかに彼の声はほかの会衆一同の声よ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
命の一片は、思いのままに滅ぼすことが出来るのだ。滅ぼせば、何も無くなってしまう。
完全に無くなってしまうのだ。腐ってしまえばそれが終りだ。 六月二十六日―― ....