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宏壮
「宏壮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
宏壮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れたが、江戸時代には境内二万坪にも近く、松、杉、桜の大樹が枝をかわして、見るから
宏壮な古寺であった。 大きい寺には門前町があるが、ここにも門前の町屋が店をなら....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ども立っていた。このような土の香高い庭園がアスファルトの舗装道路をめぐらしたあの
宏壮な煉瓦建の建物の中に設けられて有ろうなどとは、外を行く誰人が気づいたことであ....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
日予定の時間に三角形の蟇口を懐中に忍ばせて細田氏の邸の方へ出向きました。細田氏の
宏壮な構の前には広い空地があって其の中を一本の奇麗な道が三十間程続いてその向うに....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
みな施して帰った。 柳将軍の怪 東洛に古屋敷があって、その建物はすこぶる
宏壮であるが、そこに居る者は多く暴死するので、久しく鎖されたままで住む者もなかっ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ない顔をしているのです。そこで、構わずに城内へはいり込んでゆくと、建物もなかなか
宏壮で、そこらを往来している人物もみな立派にみえますが、どの人もやはりこちらを見....
「天馬」より 著者:金史良
の方へはいって行った。暫く歩いて行くと右側に高い昔風の塀が続いて、古色蒼然とした
宏壮な大門が立ち現われる。それをくぐってはいれば広い庭園の中に、韓国時代どこかの....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
でいるかと心を傷め尽くして、所所方方をさまよい歩いていた。 ある晩、町でも最も
宏壮なる別邸の一つとして知らるる家の集会にコスモもまじっていた。彼は貧しいながら....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
、全体がみすぼらしく眺められましたが、私の眼の前にある家ばかりが、一軒だけ立派で
宏壮でした。巡らされてある土塀も厳めしく、その内側に立っている幾棟かの建物も、や....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
で新八郎は、次々に変わった出来事と、そうして変わった人物とに逢った。 行く手に
宏壮な屋敷があって、甍を月光に光らせていたが、その屋敷の門の前まで行くと、例の女....
「鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
のさわやかな日光は、この山国の旧家の庭いっぱいにあたっていた。広い縁側を持った、
宏壮な主屋を背後にし、実ばかりとなった藤棚を右手にし、青い庭石に腰をかけ、絶えず....
「初雪」より 著者:秋田滋
あるその屋敷へ連れて行った。それは、鬱蒼と茂った老樹にぐるりを囲まれた、石造りの
宏壮な建物だった。正面には、見上げるような樅の木叢がたちはだかっていて、視界を遮....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
てみれば、風間を捜し出す、前提に過ぎないのではないだろうか。 然し、それまでに
宏壮な場内を、隅々までほじり散らしたにも拘らず、遂に風間は発見されなかった。そし....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、この晩の歌会は非常に静粛に了えた。よく統一されていた。 二次会は新中島という
宏壮な家で有志の人たちだけで催された。煌々たるシャンデリヤの下で、置酒交歓、感興....
「特殊部落と寺院」より 著者:喜田貞吉
及王位、臨命終時不随者」と観ぜられて、太子の尊き位を遜れ給うた釈迦牟尼世尊には、
宏壮なる殿堂に住み、金襴の法衣を纏うが如きはその本意でなかったに相違ない。樹下石....
「和製椿姫」より 著者:大倉燁子
て来ます」 私は脱いだ靴をまた履いて、東山邸にいそいだ。 品川の海を見晴した
宏壮な邸も、主家の一部と離れの茶室だけが残って、あとは全部戦災を受けていた。あの....