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宏大
「宏大〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
宏大の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
くんだ眼で一人一人|睨《ね》めつけた。
函館の停車場に着くと彼はもうその建物の
宏大もないのに胆《きも》をつぶしてしまった。不恰好《ぶかっこう》な二階建ての板家....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
風にまき上げられる一面の砂煙りが、うす暗い空をさらに黄色く陰《くも》らせていた。
宏大な宮殿がその渦巻く砂のなかに高くそびえていた。 宮殿は南にむかって建てられ....
「放送された遺言」より 著者:海野十三
もとっぴなことのように感じられるが、今のような私の境遇では遺言状を電波に変成して
宏大なる空間のあらゆる方向へ発射することがもっとも有効な遺言の方法だと思う。遺言....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
山、江尻はもとより、興津、清見寺などへ、ぶらりと散歩が出来ようという地を選んだ、
宏大な別荘の設が有って、例年必ずそこへ避暑する。一門の栄華を見よ、と英臣大夫妻、....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
には凡ての偉人と凡ての聖人とを含み、凡ての哲学と科学、凡ての文化と進歩とを蓄えた
宏大もない貯蔵場だ――と、現代の人類活動の諸相との集成から成り立っている。それか....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
の市民が住み、そしてその少数の人しか知らない不思議な都市である。面積や道具だての
宏大な割に人口がきわめて不稠密な点からいうと、沙漠の上に捨てられてある廃都にも似....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
怪事件について述べるのが順序であろう。 ―――――――――――――――
宏大な大学の構内は、森林に囲まれて静寂そのものであった。殊にこれは夜更の十二時の....
「地球盗難」より 著者:海野十三
からソロソロ匍いだした大隅学士は、幸いに誰に見咎められもしない様子に安心をして、
宏大なる邸内の探険にとりかかった。広々とした庭園――それは庭園というのはむしろ不....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
言え彼は又あらゆる科学の分野に亙って、周到な洞察力と異状に明晰な分析的智力を振い
宏大な価値深い学識を貯えていた。 私は喬介とのこの交遊の当初に於てその驚くべき....
「超人間X号」より 著者:海野十三
られた。扉はかるくひらいた。「それッ」と一同はとびこんだ。あッと目を見はるほどの
宏大《こうだい》な実験室だった。 その部屋のまん中に、谷博士が椅子に腰をかけて....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
ウスは、人工で出来た大きな丘のうえに立った古城のような高層建築であった。 その
宏大な広間や、屋上や、廊下や、そしてバルコニーまでが、今日は生花とセルロイド紙と....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
はここに本篇「宇宙尖兵」を書くことに決めた。 書き出してみると、宇宙はなるほど
宏大であって、実はもっと先まで遠征するつもりでいたところ、ようやく月世界の手前ま....
「流線間諜」より 著者:海野十三
に、俄かに温くなるのだ。いままで寒帯だった地方が温帯に化けるのだ。そこで俄然その
宏大な地方を根拠地として某国の活溌な軍事行動が疾風迅雷的に起されようとしているの....
「児童の解放擁護」より 著者:小川未明
校か、町会などにて容易に実行されることでなければならぬ。 これについて、富豪の
宏大なる邸宅、空地は、市内処々に散在する。彼等の中には、他に幾つも別荘を所有する....
「芝、麻布」より 著者:小山内薫
は目隠しの隙間から、 『有難う、今行くよ。』 などと答えて、表から廻って、あの
宏大な邸宅へ、ふだん着のままで押し上がったものであった。 今の家橘――その時分....