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「官林〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

官林の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
残して木樵《きこり》に出かけた。マッカリヌプリの麓《ふもと》の払下《はらいさげ》官林に入りこんで彼れは骨身を惜まず働いた。雪が解けかかると彼れは岩内《いわない》....
神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
しなり。この他に熊野参詣の街道にただ一つむかしの熊野の景色の一斑を留めたる大瀬の官林も、前年村民本宮に由緒ありと称する者に下げ戻されたり。二千余町歩の大樹林にて....
雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
で着くと思いがけなく村の男女が、四人ばかり籠をしょって、こっちを見ている。禁制の官林に潜り込んで、何か内密の稼ぎをするらしい。知ってる顔と見えて、案内者は薄明り....
島原の乱」より 著者:菊池寛
、その翌二十三日、有江村の郷士佐志木作右衛門の邸に信徒が集って居るのを耳にした代官林兵右衛門は単身乗り込んで、天主の画像を奪い破り、竈に投じた。忍従の信徒達もこ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
すところの民有地はわずかにその十分の一に過ぎなくなった。そのため、困窮のあまり、官林にはいって罪を犯し処刑をこうむるものは明治六、七年以来数えがたく、そのたびに....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
なって、日の目も漏れぬ。此辺はもう関牧場の西端になっていて、林は直ちに針葉樹の大官林につゞいて居るそうだ。此永劫の薄明の一端に佇んで、果なくつゞく此深林の奥の奥....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
というので、遂に幕府にその処置を伺い出たのである。 そこで、幕府では、当時の儒官林大学頭信篤(鳳岡)および新井筑後守(白石)に命じて擬律せしめることになった。....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
べく、豪傑知事|安場保和から福岡市の対岸に方る向い浜(今の西|戸崎附近)の松原の官林を貰って薪を作り、福岡地方に売却し始めた。奈良原到少年もむろん一行に参加して....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
胸が苦しくって飯も食えない。」 老爺さんの硫黄はよく出来た。しかし近間の山林は官林なので、民有林から伐木《ばつぼく》して薪《まき》を運ぶのに、嶮岨《けんそ》な....
海豹島」より 著者:久生十蘭
けた無智狂暴な人間であり、他の二名の大工はサガレンや沿海州を流れ歩き、砂金掘りや官林盗伐に従事していた無法粗雑な男どもで、看視員が島を引きあげると、たちまち本性....
山の人生」より 著者:柳田国男
。土屋小介君の前年知らせて下さった話は、東三河の豊川上流の山で、明治の初めごろに官林を払い下げて林の中に小屋を掛けて伐木していた人が、ある日外の仕事を終って小屋....