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定か
「定か〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
定かの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
け合って、その生産を計るよう仕向けていってもらいたいと願うのです。
単に利害勘
定からいっても、私の父がこの土地に投入した資金と、その後の維持、改良、納税のため....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
化という概念について次のように言っている。すなわち『進化とは非均等から均等へ、不
定から決定へ、無秩序から秩序への変化である』というのである。もっともこの意見は全....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
思ったが、いつごろ、どの時分、もう一人の嫗が来て、いつその姿が見えなくなったか、
定かには覚えなかった。たとえば、そよそよと吹く風の、いつ来て、いつ歇んだかを覚え....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ど間断なく牛が歩いた。いずれも鼻頭におよそ三間|余の長綱をつけて、姿形も森の中に
定かならず、牛曳と見えるのが飛々に現れて、のッそり悠々として通っていたのであるが....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
影のように―― おかしな事は、その時|摘んで来たごんごんごまは、いつどうしたか
定かには覚えないのに、秋雨の草に生えて、塀を伝っていたのである。 「どうだい、雀....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
隆い、痩せて面長なのが薄ら蒼く、頬のげっそりと影の黒いのが、ぶよぶよとした出処の
定かならぬ、他愛の無い明に映って、ちょっとでも句が切れると、はたと顔も見えぬほど....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
て昼なお暗き大森林を偲ばしめる趣向で、これを天狗部屋と称していた。この人の顔さえ
定かならぬ薄暗い室に端座してベロンベロンと秘蔵の琵琶を掻鳴らす時の椿岳会心の微笑....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
たら帝国の安危にかかわる重大使命はどうなるというのだ。 闇夜の試運転 予
定からちょうど二十四時間も遅れて、海の大怪物浮かぶ飛行島は、いよいよその巨体をゆ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
へバラバラと跫音が入り乱れて聞えた。二人がハッと顔を見合わせる途端に、夕闇の中で
定かに分らないが、十歳あまりの少年が駈けこんできた。そして後方をクルリとふりむい....
「断層顔」より 著者:海野十三
は四十名となっている。碇曳治は、始めつけ落されている。なぜだろう。隊長たる君が勘
定から洩らしている隊員。ああ、そうか碇曳治は密航者なんだ。そうだろう」 「もちろ....
「蠅男」より 著者:海野十三
ら四尺を引いてまず八尺の身長をもっていると見なければならない。変な話であるが、勘
定からはどうしてもそうなるのである。しかもこの八尺の怪物が入口から這入ってきたの....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
が、一面の霧で何も見えない。西山東山、そんな遠くは言わずもがな、足許の水桶さえも
定かではない。恐しい深い霧だ、天地はただ明るい鼠色に塗られてしまった。 顔を洗....
「快走」より 著者:岡本かの子
歩き出した。途中、振り返っていると住宅街の窓々には小さく電燈がともって、人の影も
定かではなかった。ましてその向うの表通りはただ一列の明りの線となって、川下の橋に....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
昔から無限の未来に連絡しているのであります。 一反の稲を作るのさえ、その籾の選
定からしていろいろの知識経験が必要であります。この知識経験ということは、自分がや....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
ねて念を押した。「近々に討っ手を差し向けらるるとか申しまするが……。」 「それは
定か。」と、小坂部の方でも念を押した。 その狡そうな眼と聡しげな耳とを絶えず働....