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定まり
「定まり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
定まりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
敷き、その場に打ち俯《ふ》して、がたがたと慄《ふる》いぬ。白糸の度胸はすでに十分
定まりたり。 「おい、内君《おかみさん》、金を出しな。これさ、金を出せというのに....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
い》に挨拶を始めた、詞は判らないが改まった挨拶ぶりに、予もあわてて初対面の挨拶お
定まりにやる。子供二人ある奥さんとはどうしても見えない。 「矢代君やり給え。余り....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
に一人、駒下駄を揃えて一人、一人は日傘を開け掛けて、その辺の辻まで一所に帰る、お
定まりの道連が、斉しく三方からお妙の顔を瞻って黙った。 この段は、あらかじめ教....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
くっついて、しかしてこの鵝鳥がガアガアと鳴き立てた。もちろん、たいていの伝説で御
定まりのように、こういうことは三遍行われなければならないので、次には一羽のペリカ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
でさえおりますまい。 板を抜けたものか知らん、余り変だ、と貴僧。 ここで心が
定まりますと、何の事もない。行燈は蚊帳の外の、宵から置いた処にちゃんとあって、薄....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
ね、なに構やあしない。」 かかる女に何とてさることをさせらるべき。わが心はほぼ
定まりたり。 「そんなに云っておくれだと、なお私は立つ瀬がない。お雪さんも何だけ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
……。 見合の時の良人の服装でございますか――服装はたしか狩衣に袴を穿いて、お
定まりの大小二腰、そして手には中啓を持って居りました……。 婚礼の式のことは、....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
る。そしてファラデーを書記として伴うことになった。 一八一三年九月に旅行の話が
定まり、十月十三日ロンドンを出発し、同一五年三月二十三日に帰るまで、約一年半の間....
「橋の上」より 著者:犬田卯
見なかった。 ふらふらと定めない彼の足は、五歩、六歩と行くうちに、自然に調子が
定まり、しかも、見よ! だんだんそれが速くなって、ほう、駈ける! 駈ける! 駈け....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
当時の俳諧師、雪中庵の門人、四五輩。寛延|年不詳、霜月のしかも晦日、枯野見からお
定まりの吉原へ。引手茶屋で飲んだのが、明日は名におう堺町|葺屋町の顔見世、夜の中....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
すから。……おお、あつい。……私は肌が脱ぎたくなった。……これが、燃立つようなお
定まりの緋縮緬、緋鹿子というんだと引立つんですけれどもね、半襟の引きはぎなんぞ短....
「妖怪学」より 著者:井上円了
らざる道理なり。例えば、これを天気の晴雨の上に考うるに、明日の天気は今日において
定まり、明後日の天気は明日において定まる。すなわち、今日の風位、寒暖、晴雨等の諸....
「迷信解」より 著者:井上円了
を知られぬほどである。民間にては、すべて奇怪に思うことは狐狸の所為に帰することに
定まりておる。その中に最も普通に狐惑と称するは、夜中道を歩くに、道なき所を道のあ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
は高田|様でございますか。まあ、こちらへ。と二階なる密室に導きて主客|三人の座は
定まりぬ。高田は笑ましげに巻莨を吹して、「早速ながら、何は、令嬢は息災かね。「え....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
かり。余をもってこれをみれば、国の本は人にあり、人の本は精神にあり、精神ひとたび
定まりて、初めて国家の富強を講ずることを得るなり。兵力も商業も学問もみなこの精神....