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定めて
「定めて〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
定めての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
。元よりそれも少納言殿の御内のものなら、己《おの》が忠義に捨つる命じゃによって、
定めて本望に相違はあるまい。が、さもないものがこの中にあって、わずかばかりの金銀....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
も、何かと便宜が多そうであった。そこで彼等はまず神田の裏町《うらまち》に仮の宿を
定めてから甚太夫《じんだゆう》は怪しい謡《うたい》を唱って合力《ごうりき》を請う....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
り早く、風の如く来りて、問いけるは、「汝、われを知るや」と。われ、眼《まなこ》を
定めてその人を見れば、面《おもて》はさながら崑崙奴《こんろんぬ》の如く黒けれど、....
「或る女」より 著者:有島武郎
人のように、池の端につくねんと突っ立ったまま、池の中の蓮《はす》の実の一つに目を
定めて、身動きもせずに小半時《こはんとき》立ち尽くしていた。
八
日の光が....
「或る女」より 著者:有島武郎
た岡の手が、葉子に握られて冷えるのももっともだ。昨夜はこの手は……葉子はひとみを
定めて自分の美しい指にからまれた岡の美しい右手を見た。それは女の手のように白くな....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
学を研究していたものだから、私の発展させていくべき仕事の緒口《いとぐち》をここに
定めておくつもりであり、また私たち兄弟の中に、不幸に遭遇して身動きのできなくなっ....
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
がちょっぴり水の上に浮《うか》んでいる方を指しました。
若い男は私の指す方を見
定めていましたが、やがて手早く担っていたものを砂の上に卸《おろ》し、帯をくるくる....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
高く、小さな黒い点が静かに動いて輪を描いている。それは一羽の大鷲に違いない。目を
定めてよく見ると、長く伸ばした両の翼を微塵も動かさずに、からだ全体をやや斜めにし....
「親子」より 著者:有島武郎
た。その晩は彼にも寝つかれない晩だった。そして父が眠るまでは自分も眠るまいと心に
定めていた。 二時を過ぎて三時に近いと思われるころ、父の寝床のほうからかすかな....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
した。 『あれは山椿の精ではないかしら……。』 一たんはそう思いましたが、眼を
定めてよくよく見ると、それは妖精でも何でもなく、矢張り人間の小供なのでした。その....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
ある百姓の軒下、明日は木陰にくち果てた水車の上というようにどこという事もなく宿を
定めて南へ南へとかけりましたけれども、容易に暖かい所には出ず、気候は一日一日と寒....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ような小使風の仕事をするばかりでなく、礦物の標本を順序よく整理したりして、覚書に
定めてあるより以上の高い地位を占めているつもりで働いた。 ファラデーが助手にな....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
々大量入党を開始した。亦四月大会では労組関係の六十五名の代議員を認めて再建方式を
定めて社会党再建闘争に乗り出したのであるが、その成熟しない中に本年一月の大会で分....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
ようよう高い東嶺を抜け出て樹々の葉を透してくる。眼前がきらきらして一しきりこれと
定めて物を見極めにくくなる。そんな時|俄にけたたましい音がして、落葉樹の間から山....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
・端華如等をしてその事務を処理させた。 当時の北京は各国軍がそれぞれ駐屯区域を
定めていたのだが、日本軍駐屯の北城地域が最も平和で住民が安居し、ロシヤ、フランス....