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「定例〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

定例の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
れて寝ている物置のような汚いその部屋を覗込《のぞきこ》みながら毎時《いつ》ものお定例《きまり》を言って呶鳴《どな》った。甲走《かんばし》ったその声が、彼の脳天ま....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
わると同じようにその相談でもちきりのありさまでした。毎年三月の十日というのがその定例日――無礼講ですから余興はもとより付きもので、毎年判で押したように行なわれる....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
があっては、という賢人の賢慮から、わざと身軽で扈従《こじゅう》するのがいつもその定例なのでした。――辰はいうまでもなくその名宰相伊豆守のご推挙で、名人の配下にな....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
すぎるそれらお歴々の、三百二十八大名全部が、将軍家へお年賀言上のために総登城する定例なのでした。 一国一城のあるじにしてすでにそうであるから、およそ官途《かん....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
なかった。 旧暦十一月の四日は冬至の翌日である。多事な一年も、どうやら滞りなく定例の恵比須講を過ぎて、村では冬至を祝うまでにこぎつけた。そこへ地震だ。あの家々....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
年は前年凶作のあとをうけ、かつは諒闇のことでもあり、宿内倹約を申し合わせて、正月定例の家祈祷にすら本陣では家内限りで蕎麦切りを祝ったくらいである。そんな中で遷宮....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
えて来るんでしょう。あんなちいさな子供がですよ。」 十月も末に近くなって、毎年定例の恵比寿講を祝うころになると、全く東北方面も平定し、従軍士卒の帰還を迎える日....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
提灯《ちょうちん》を持って、眠い眼をこすりながら立ち上り、 「いるかな」 御定例《ごじょうれい》に提灯をかざして、一番の牢の内を覗《のぞ》いて見ました。 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
くて、平間は二|目《もく》まで追い落される。二人が碁をはじめると夜明しをするのが定例《きまり》。お互いに天狗を言いながら局面を睨《にら》んでいると、夜中にフイと....
社会時評」より 著者:戸坂潤
こと自身は少しも不道徳ではない。吾々はその証拠を挙げることが出来る。七月十四日、定例閣議の席上で、小山法相は次のような秘密を洩している。ジュネーヴに本部を持つヨ....
呉秀三先生」より 著者:斎藤茂吉
として先生の講筵に出席している間に『精神病学集要』・『精神病学要略』・『精神病鑑定例』・『精神病検診録』・『精神病診察法』等の書物を知り、傍ら『柵草紙』の文章や....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
下の評定所でございますから、御老中は勿論将軍家も年に二度ぐらいはお成になるという定例でございます、即ち正面の高座敷が将軍家の御座所でございまして、御老中、若年寄....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
た。これがもしほかの家なら晩飯が済んでしまうとすぐに帰るのだが趙家は晩飯が早い。定例に拠るとこの場合点燈を許さず、飯が済むとすぐ寝てしまうのだが、端無くもまた二....
端午節」より 著者:井上紅梅
と、彼女は彼の顔色を窺った。 「乃公は行かない。これは官俸だよ。賞与ではないぞ。定例に依って会計課から送って来るのが当りまえだ」 「だけど、送って来なかったらど....
秋の筑波山」より 著者:大町桂月
我兵は少なし。唯々小田天庵は毎年大晦日に、年忘とて連歌の会を催し、酒宴暁に至るを定例とせり。三楽之を聞き知りて、乗ずべきは此時なりと勇みぬ。されど、手兵のみにて....