定府[語句情報] »
定府
「定府〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
定府の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「安井夫人」より 著者:森鴎外
た。一番|華《はな》やかで人の目につくのは、十九になる八重という娘で、これは父が
定府《じょうふ》を勤めていて、江戸の女を妻に持って生ませたのである。江戸風の化粧....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
にというので、丸亀藩の屋敷へ人を迎えにやったが、ちょうど藩主が在国していたので、
定府たちの間には、鈴木源太夫を見知っているものは、一人もいなかった。 ただ、当....
「老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
る。――その水一つ隔てた高い土手のかなたの大江戸城を永劫に護らせんために、副将軍
定府の権限と三十五万石を与えてここに葵柱石の屋敷をも構えさせたのに、今はその水一....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
述志の詩である。想うに天保十二年の暮に作ったものであろう。弘前の城主|津軽順承の
定府の医官で、当時|近習詰になっていた。しかし隠居|附にせられて、主に柳島にあっ....
「旧藩情」より 著者:福沢諭吉
解《ほうかい》して国邑《こくゆう》に帰《か》えすの令を出《いだ》したるとき、江戸
定府《えどじょうふ》とて古来江戸の中津《なかつ》藩邸《はんてい》に住居《じゅうき....
「奥の海」より 著者:久生十蘭
ぬけに船番所へやってきた。 七戸領は盛岡二十万石の内証分で、殿様は七年前から御
定府、家老と大番頭がいるが、藩政の大事は、本家の国家老の裁可を得て執行する慣例に....
「濞かみ浪人」より 著者:吉川英治
なか人を捨てない主君であった。国表では使い難いそうだから江戸へ廻せという程度で、
定府の方に転役させて、何も云わずにいた。 数右衛門は勿論、この転役を歓ばなかっ....