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定石
「定石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
定石の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
りとお湯につかって汗を流してくると、風通しのいい縁側に碁盤をもち出しながら、古い
定石の本を片手にパチリパチリとやりだしたもので――だから伝六がたちまち早がてんを....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
とうち笑《え》むと、涼しげにいったものです。 「ところが、どうして、筋書きがそう
定石どおりにいかねえんだから、人見知りはしておきたいものだね。実あ、お由さんの今....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
てが無くとも、ともかくもその方角へむかって探索を進めてゆくのが、その時代の探索の
定石《じょうせき》であると、半七老人は説明した。 前にもいう通り、橋の工事で広....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
であった。 航空母艦から飛び出して、敵艦隊の動静を窺っていた両軍の偵察機隊が、
定石通りぶっつかって行った。真先に火蓋を切ったのは、米国軍だった。シャボン玉でも....
「地球盗難」より 著者:海野十三
して空間に小さな円周などを描き、恨めしそうな顔をヌーッとこっちへ出すといったのが
定石なのであるが、今見た幽霊の方は、掴もうとしたのに、ドンと恐ろしい一撃を加えて....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
横浜あたりでどうにかやっていたそうですが、なんしろ相手がよくない船乗りのことで、
定石どおり、子供は孕む、情夫には捨てられたということになって、半年ほど前に、すご....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
んだ其道の豪の者揃いであるから、これしきの事を知らない筈がない。無論彼等は始めは
定石通り訊問をしたのだが、元来支倉が一筋縄で行く人間ではないのだから、生優しい手....
「映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
の女」などでも日本映画としては相当進歩したものではあろうが、しかし配役があまりに
定石的で、あまりに板につき過ぎているためにかえってなんとなくステールな糠味噌のよ....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
うか。こういう暗号文を手に入れたからには、わしは原の町へ至急出張せんけりゃならん
定石だ」 彼は急遽自動車を操縦して外出した。 表に張り込んでいた烏啼の部下は....
「文人囲碁会」より 著者:坂口安吾
は性格を現すというが、僕もこれは真理だと思うので、つまり、豊島さんも川端さんも、
定石型の紳士ではない腕力型の独断家なのでお二人の文学も実際はそういう風に読むのが....
「ドイルを宗とす」より 著者:甲賀三郎
月長石」と、小酒井不木君訳の「夜の冒険」の二長篇だった。就中後者は探偵小説構成の
定石本として深い感銘を受けたものであった。この二長篇が発表されて間もなく私が探偵....
「時 処 人」より 著者:岸田国士
芝居の脚本を書くのには、まず、標題のつぎに、その劇が行われる時と場所と登場人物とを、はつきり書きあげるのが
定石である。 私はいま、ここで脚本を書くつもりはないが、年々歳々、違つた場所で....
「文学座『夢を喰ふ女』を演出して」より 著者:岸田国士
らではなく、一種の感覚的角度で、それらの人物個々の生態を描いていることと、戯曲の
定石としての構成を無視して、人物の絵模様のリズミカルな動きを、そのまま投げ出して....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
的魅力が、作家を刺激し、鼓舞し、誘導しつつ、一個の戯曲家に仕立てあげるというのが
定石らしいのです。 古来、戯曲作家と俳優との個人的関係は、幾多の話題を残してい....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
していた。ある時余が訪問して見ると居士は紙の碁盤の上に泥の碁石を並べていた。別に
定石の本とか手合せの本とかを見て並べているわけではなく、ただ自分の考で白と黒との....