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定見
「定見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
定見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
を聞いたもんだ。岡村君、時代におくれるとか先んずるとか云って騒いでるのは、自覚も
定見もない青臭い手合の云うことだよ」 「青臭いか知らんが、新しい本少しなり読んで....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
る笑うべき「ローマ帝国」的|妄想《もうそう》から来ているのである。そうしてこの無
定見は、じつは、今日自然主義という名を口にするほとんどすべての人の無
定見なのであ....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
来て氏に話した。すると氏は妙な冷笑を浮べて「非常な美人? ははあ、あなたに美人の
定見がありますか。」私「でも、私は美人と思ったのですもの、
定見とか何とか問題無し....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
の幸を得て帝国議会の議員となる人々は往々この党籍に在り、かかる人々はみな政事上に
定見ありてもって党籍に入るものならん、しかしてその
定見が必ず党議と相合するものな....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
を責められるような気がした。だいち男と女の関係についての考えからが、私に断乎たる
定見がないのだ。昨年の秋だったがね。唯円が私に恋の事をしきりにきいていた。恋をし....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
為めに影響せられ、心霊知識、その他の普及となりつつある。道に反く者、心の弱き者、
定見なき者又単なる好奇心で動く者は、禍なる哉である。真理を求むる者のみが、大盤石....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
規の復興に利用し、政党費までこの連中の新円に依存しようという量見を起した政党の無
定見、一時しのぎのさもしい根性、未来の設計に対する確たる見透しや理想の欠如という....
「演劇への入口」より 著者:岸田国士
である。 公共的な性質を帯びた演劇活動が、なぜ日本には起らないか? 政治家の無
定見もさることながら、やはり、民衆の演劇に対する理解が薄いところから来るともいえ....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
いい加減にやり出すと、あっちの寺でもこっちの寺でもみんな思い出したように、ただ無
定見に真似をして鐘を鳴らし始めるだけです。正確の観念なんかこれっぽっちだって持合....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
身の見込みがなさそうである。そういうわけで、父はわたしに何の職業をあたえるという
定見もなく、わたしもただぼんやりと生長してゆく間に、あたかも演劇改良などが叫ばれ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
につけてしまった。自分のしたいと思うことになんにでも敗けてしまうという、ほとんど
定見というもののない傾向である。――さて、今の場合にはこの悪徳は少なくともひとつ....
「河豚は毒魚か」より 著者:北大路魯山人
責任に放置せず、あり余るこの魚族を有毒との理由から、むやみと放棄し来った過去の無
定見を反省し、さらにさらに研究して、ふぐの存在を充分有意義ならしめたいと私は望ん....
「味を知るもの鮮し」より 著者:北大路魯山人
着する秘密を持つことを知るべきである。いずれにしても、砂糖の乱用と化学調味料を無
定見に用いることは、充分慎むべきことであろう。 (昭和三十三年)....
「持ち味を生かす」より 著者:北大路魯山人
下を示している。砂糖や「味の素」類品の跋扈に拍車をかけているのは、料理する者の無
定見である。この無
定見が、味覚を無神経にし、天然自然によって与えられている個々の....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
ねにしぐれた感じだった。――ことにはそこに、その榎の下に、いつも秋早くから焼栗の
定見世の出ることが、虧けそめた月の、夜長夜寒のおもいを一層ふかからしめた。――「....