定連[語句情報] »
定連
「定連〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
定連の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
じ》君の画中の人物が抜け出したようだ。――とか何とか云う理由から、このカッフェの
定連《じょうれん》の間には、夙《つと》に通俗小説と云う渾名《あだな》が出来ている....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
乗竹春隆は「乗竹」をもじった「首ったけ」侯爵という綽名をつけられていて、十番館の
定連だった。 十番館には、戦争犯罪容疑者として収容される前夜、青酸加里で自殺し....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
れでも、別に八釜《やかま》しい注文はあまりない。「アライところで一本」なぞいう御
定連《ごじょうれん》は無いと云った方が早いくらい。しかも鰻《うなぎ》は千葉から来....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
た。 新古典派風の絵のある柱の根で、角を劃切られたこの靠れ壁は、少し永く落着く
定連客が占めるのを好む場席であった。隅近くではあったが、それだけ中央の喧騒から遠....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
に、幾人も顔なじみが出来て、家にいるよりは面白いということになりました。昼席には
定連が多いので、些とつゞけて通っていると、自然と懇意の人が殖えて来ます。その懇意....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
にも教えてくれたところである。多吉が親しくする俳諧友だちのいずれもは皆その床屋の
定連である。柳床と言って、わざわざ芝の増上寺あたりから頭を剃らせに来る和尚もある....
「惜別」より 著者:太宰治
衆的な低廉のもので手軽に見られる立見席もあり、私たち貧書生はたいていこの立見席の
定連で、これはしかし、まあ小芝居の方で、ほかに大劇場では仙台座というのがあり、こ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
り肉の晩餐を聯想させるに過ぎないかも知れないのだ。そしてわれわれモンテ・カアロの
定連には、射撃の的以外の鳩というものの存在を想像することは出来ない。こういう論旨....
「売春婦リゼット」より 著者:岡本かの子
見せかけのこの親子連が成功するかしないかと楽屋を見抜いた商売女たちや店の連中、
定連のアパッシュまでがひそかに興味をもって明るい電気の下で見まもっていた。そして....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
ものが一般的なものでなく、寄席にかゝることも稀れで、浅草の片隅などでごく限られた
定連相手に細々と興行していただけであった。私はそこの常連で、ついには楽屋へ遊びに....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
もよらないことであった。僕はゆうべのように薬味付きの焼パンや火負を飲むのをやめ、
定連のトランプの勝負にも加わらずに、ひたすらに精神を鎮めることにつとめた。それは....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ますごすごと引返したこともあった。これはわたしばかりでなく、その当時の鳥熊芝居の
定連はみな一様にこうした苦い経験を嘗めさせられたのであろう。 そのおかげで、わ....
「世界漫遊」より 著者:ダビットヤーコプ・ユリウス
「洒落」の広めをする人がある。それをも聞き漏さない。そんな時|心から笑う。それで
定連に可哀がられている。こう云う社会では「話を受ける」人物もいなくてはならないの....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
れて入学したわたしの妹に食ッついて、ときに矢っ張とも/″\その小使部屋で日を消す
定連のなかの一人だったのである。 ……ただそれだけである。それだけのことである....