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「宛てる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宛てるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
えの一反歩二円二十銭である事、滞納には年二割五分の利子を付する事、村税は小作に割宛てる事、仁右衛門の小屋は前の小作から十五円で買ってあるのだから来年中に償還すべ....
新生」より 著者:島崎藤村
の胸を騒がせた。どうかすると彼は部屋の床の上に跪《ひざまず》き、堅い板敷に額を押宛てるようにして熱い涙を流した。 七十九 知らない人達の中....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
ればならない。夫れから数を百だけ呼ぶ。呼んだ時分に液が出る。ギヤマンの壺を夫れへ宛てる。竹篦で液を掬い取る。切り手と掬い手とは異わなければならない。即ち二人を要....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
斜の地なぞは君の記憶にも親しいものがあろうと思う。私は序のかわりとしてこれを君に宛てるばかりでなく、この書の全部を君に宛てて書いた。山の上に住んだ時の私からまだ....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
チスチックス」雑誌というのを発刊せられたが、当時「スタチスチックス」という原語に宛てるために※※※《スタチスチク》という漢字をも案出創造せられたということである....
男女関係について」より 著者:大杉栄
間でも早くお目に懸かれるようにして下さい。お願致します。」 野枝さん。 君に宛てる手紙の中に、こうして君からの手紙を抜書きするのも可笑しいが、この手紙は世間....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
をやる。それが連続的に現れる場合には、私は通例早起して、毎日の最初の時間をそれに宛てる。室はいつも祈祷に用いる専用のものである。すると多くの場合に通信が現れるが....
獄中消息」より 著者:大杉栄
の字を見るといかにもよく僕のをまねてはいるが伸の書いたもののようだ。そこで三保へ宛てることとした。そして足下の名だけでは分るまいと思って、伸の名をも添えて置いた....
」より 著者:岡本綺堂
ことになっていた。官命とはいいながら、何分にも殺生の仕事であるから、寺院を詰所に宛てるのを遠慮するのが例であった。 ことしも九月からの鷲撃ちが始められた。和田....
土の中からの話」より 著者:坂口安吾
まう。 あるとき友達の画家が、談たまたま手紙一般より恋文のことに至り、御婦人に宛てる手紙だけは原稿用紙は使わない、レター・ペーパーを用いる、原稿用紙は下書きに....
五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
家を召し寄せた。 その中から十人を選抜し、「忍術十人衆」と命名し、大奥の警護に宛てることにした。 一条弥平、一色鬼童、これは琢磨流の忍術家であった。 茣座....
平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
、悉皆この東栄舘で世話することになっている、だから高橋農場へ通信するにはこの家に宛てるのである、橡尾又は温泉宿の外には人家がないから、大湯が湯谷村の奥底の部落で....
東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
の人がマレーの沖に出て、今の西貢の沖あたりかも知れませんが、真珠を採集して慈善に宛てるために作業しているうちに船が難破して困っておった。時にインドから来た大きな....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
らぬ間であったことが窺い得られる。 ――でもなければ、文中にあるように、貴人へ宛てる戦陣の中の手紙に、自分の足のことなどは、書くはずがない。 その足のことで....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
ありましょう。浪人を雑役に使うとか、浪人に田地を開墾せしめるとか、浪人にも課役を宛てるとかいうことが、しばしば平安朝頃の記録にも見えておりまして、浮浪人とても決....