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「宛も〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宛もの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
遇されて居ることや、目下サリー地方を漫遊して居る事まで書き加えて有る。 此の時宛も其のサリー地方の朝倉と云う家から叔父の許へ奇妙な招待状が来て居た、奇妙とは兼....
ある抗議書」より 著者:菊池寛
告白』なる本に依りますと、典獄とか検事とか云う連中が、坂下鶴吉の信仰を獲たことを宛も猫が鼠を取ったのを賞めるように、賞めそやして居ります。国家の刑罰なるものは肉....
厳島合戦」より 著者:菊池寛
二十日市(毛利方の水軍の根拠地)の沖へ寄せたので、毛利方は喜び、陶方は失望した。宛もよし、九月|晦日は、俄かに暴風雨が起って、風波が高く、湖のような宮島瀬戸も白....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
此些細なる一事が余の後々に至大なる影響を及ぼす可しとは思い寄ろう筈も無し、目科は宛も足を渡世の資本にせる人なる乎と怪しまるゝほど達者に走り余は辛うじて其後に続く....
恋愛曲線」より 著者:小酒井不木
氏液の中へ入れてよく洗い、次で箱の中へ装置して、ロック氏液を流すと、はじめ心臓は宛も眠って居るかのようであったが、暫くしてぱくり/\と動き出し、間もなく、威勢よ....
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
って上げて下さい、此方でも首尾して待って居りますから、それも出来ずば、月に三度|宛も嬢様に逢って上げてくださるように願います」 重「とんでもない事を仰しゃいます....
四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
月の出汐だ。これが家であったら、さぞなア、好かろうになアと…… 妙な声がする。宛も人の唸るような……いや唸るのだ。誰か同じく脚に傷を負って、若くは腹に弾丸を有....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
送りと云う小さな船だから耐りません、船は打揚げ打下されまして、揚る時には二三間|宛も空中へ飛揚るようで、又|下る時には今にも奈落の底へ墜入りますかと思う程の有様....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
あった。 その間紋太郎はどうしていたかというに、例のうまくもない謡をうたいただ宛もなく長崎市中を歩き廻っていたのであった。そうしていよいよ窮したあげく、ふと作....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
。恐ろしいような人出であった。 観音様へお賽銭を上げ、それからお堂の裏手の方へ宛もなく彼女は歩いて行った。 「オイ紫錦さん、紫錦さんじゃないか!」 誰やら背....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
田村の源藏で、段々お調べになると、其の者共の申口に、旅稼の親子連の者に金を三両|宛もらって頼まれたので、何と申すか其の者の名は知れませんと云うので、いろ/\お調....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ラデー伝には、「これにも優りて、雄々しく、清らかなる、不変の愛情他にあるべきや。宛も燃ゆるダイヤモンドのその如く」 と、美しい筆致で描かれてある。 ファラデー....
暗黒星」より 著者:黒岩涙香
加するのです。 その結果は推量するに難くは有りません。 二十三 「地球の表面は宛も、眼鏡の玉で光線を引き集めたその焦点に置かれるのと同じ事でしょう、ただ木で作....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
知らない。鷹揚にノソノソやって来て、自分の好きな塩煎餅か掻餅でもあろうもんなら、宛もこの家のものは竈の下の灰までが俺の物だというような顔をして、平気で菓子鉢に顔....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
を蹈まえて、壊裂した金字塔を押し立てている劒岳の右の肩から稍や斜に山腹へかけて、宛も夭※たる白竜が銀鱗を輝かしながら昇天するのではないかと怪しまるる長大なる雪渓....