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宝永山
「宝永山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
宝永山の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
うのは、みんな流水や、墜雪の浸蝕した痕跡であるが、あの御殿場口から登り初めると、
宝永山の火山礫を冠った二箇の砂山が、山腹から約百尺も顔をもちあげて、裾を南へ引い....
「雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
かった色調が、凸半球の大気に流動している。 六合目――宝永の新火口壁(いわゆる
宝永山)まで来ると、さすがに高嶺の冬だと思われる冷たさが手足の爪先まで沁みて来る....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
合を考えると、気の弱い僕にはとてもやとう気がしないんだ。 それから皆と一緒に、
宝永山の北側の浅い谷を登って行った。雪は風に少し作用を受けた粉雪で、ラッセルも無....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
頬に愛嬌を湛えて、気永に合掌してござる。宝永四年と云えば、富士が大暴れに暴れて、
宝永山が一夜に富士の横腹を蹴破って跳り出た年である。富士から八王子在の高尾までは....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
つづきに押し罩《こ》もって、さざなみ雲のうえに、瘤《こぶ》のように肩を出している
宝永山の一面にだけ、相模潟の入り陽が、かっと照り映えていた。 胸突き三....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
水引を添えてくれた。これはしかし吉田口の五合目から、富士に向って、左に路を取り、
宝永山の火口壁から、その火口底へ下り、大宮方面の大森林に入って、大沢の嶮を越え、....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
現わす、これを見て年の豊凶を占う農夫もある由。『著作堂一夕話』に出た富士の残雪、
宝永山辺|凹《くぼ》かな処に人形を成す年は豊年で、見えぬ年は凶作、これを農男と名....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
地震が起ると共に、富士山が爆発して噴火口の傍に一つの山を湧出した。これがいわゆる
宝永山である。山麓の須走村は熔岩の下に埋没し、降灰は武相駿三箇国の田圃を埋めた。....