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実入り
「実入り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
実入りの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
が募るということや、孵化場《ふかじょう》の所長が代ると経費が節減されて、店の方の
実入りが思わしくないということや、今度の所長の人格が下司のようだということや、あ....
「身投げ救助業」より 著者:菊池寛
今の場所に小さい茶店を開いた。駄菓子やみかんを売るささやかな店であったが、相当に
実入りもあったので、博覧会の建物がだんだん取り払われた後もそのままで商売を続けた....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
奴らがあるようです。なんでも毎日五六十人ぐらいは詰めかけるといいますから、随分|
実入りがあることでしょう。祈祷料は思召しなんですけれど、ひとりで二|歩三歩も納め....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
抵の人には出来ません。二百円、三百円、五百円の代物が二割、三割になるんですから、
実入りは悪くもないんですが、あッちこッちへ駆けまわって買い込んだ物を注文主へつれ....
「最後の胡弓弾き」より 著者:新美南吉
も木之助は時の移りをしみじみ感じなければならなかった。 しかしその年はまだ全然
実入りがなかったのではなかった。金持ちの味噌屋はたのしみに最後に残しておいて、他....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
何がさて大本教を信ぜぬと目が潰れるなど信ずる愚民の多い世の中、一廉《ひとかど》の
実入りを収め得るに相違ない。末広一雄君の『人生百不思議』に曰く、日本人は西洋人と....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
ろん弟子をとるが、また地方へはるばると出稽古をする。しかしてこの出稽古がなかなか
実入りのよかったものだ。起原はともかく、連歌は先ず大体足利時代の特産物ともいうべ....
「秋の幻」より 著者:豊島与志雄
た。村の人達は、鶏小屋の掃除や牛馬の□に苦心した。それよりもなお一層、稲や蕎麦の
実入りや大根や里芋の収穫に心痛めた。そして彼等は毎日眉を顰めて雨の空を見上げなが....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
教員にあきたらず、事業に手をだして落魄し、チャルメラを吹く中華ソバ屋をやったり、
実入りがあるというので、葬儀屋の番頭をやったり、病気上りの馬を安く買って運送屋を....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
て、表面に見せかけているほどには内心では敬意を持たずに、「そういうお前さんだって
実入りの少い爺さんだろうよ。」と心の中で言いながら、お辞儀をして、通りすがりに自....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
部にある大きな製粉所を一つ賃貸しにしてその手に握り、なおその上に郊外にはなかなか
実入りのいい果物ばたけもある、市内には立派な貸家の一つもある、といった身上だった....