実勢[語句情報] »
実勢
「実勢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
実勢の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「近時政論考」より 著者:陸羯南
斥して冷淡なる感情または狭隘なる思想とまでに公言したるフィフテ氏といえども、この
実勢を見てかの有名なる演説、「ドイツ国民に告ぐ」と題する有名の演説をなし、切に国....
「惜別」より 著者:太宰治
思われた。かえってもっと北方の盛岡、秋田などというあたりに、この東北地方の豊潤な
実勢力が鬱積されているのだが、仙台は所謂文明開化の表面の威力でそれをおさえつけ、....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
の動機をなしている。一般的退潮(之は少くともその輪郭から云って他ならぬ無産者の現
実勢力情態の退行だということを公式として覚えておくことが必要だ)のおかげで、例え....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
らず知らず――実は夫は意識的でもあったのだが――アカデミーに対立する一つの理論的
実勢力、理論的ジャーナリズムを見るのである。 だが問題の鍵は、所謂アカデミー自....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
の思想原則が文化的自由主義なのであり、そして而もその際の文化的自由主義が社会的現
実勢力と徹底的に無関係だったということなのだろう。夫が組織的拠り処を全く有たず、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
大谷の千五百人というそれに、宇喜多軍の一部を加えたものに過ぎない、とにかく西軍の
実勢力は二万に足らぬ小勢であったとは見る人はきっと見ている。その二万に足らぬ小勢....
「哲学の現代的意義」より 著者:戸坂潤
ようなものなのである。日本に於て思想というものが社会的な意義を獲得し、社会的な現
実勢力をなすものだということが発見されたのは、所謂思想問題の発生以後であり、第一....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
せいぜい千二、三百人にすぎないのであり、赤坂城の合戦から千早籠城のさいに見ても、
実勢力の限界は、わかっていた。 それが、所期の予定数よりもはなはだ不足に思われ....