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実在
「実在〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
実在の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
を話す前にちょっと河童というものを説明しておかなければなりません。河童はいまだに
実在するかどうかも疑問になっている動物です。が、それは僕自身が彼らの間に住んでい....
「路上」より 著者:芥川竜之介
彩を与えられていた。若葉も、海も、珊瑚採取も、ことごとくの意味においては、地上の
実在を超越した一種の天啓にほかならなかった。従って彼の長い手紙も、その素朴な愛の....
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
あすこへ行くようになってからもう一年になるぜ。
A 早いものさ。一年前までは唯一
実在だの最高善だのと云う語に食傷《しょくしょう》していたのだから。
B 今じゃあ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
いことは事実である。
次ぎにもう一つ例を挙げれば、今人は誰も古人のように幽霊の
実在を信ずるものはない。しかし幽霊を見たと云う話は未《いまだ》に時々伝えられる。....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
いる。これは珈琲や煙草に疲れた僕の神経の仕業であろうか? それとも又何かの機会に
実在の世界へも面かげを見せる超自然の力の仕業であろうか?
三
僕は母の発狂....
「二つの道」より 著者:有島武郎
れた明確な現象で、人力をもってしてはとうてい無視することのできない、深奥な残酷な
実在である。
七
我らはしばしば悲壮な努力に眼を張って驚嘆する。それは二つ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ではない。それらは私と外界とを合理的に繋ぐ橋梁に過ぎない。私はこの橋梁即ち手段を
実在そのものと混同することが出来ないのだ。私はまた平安を欲すると共に進歩を欲する....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
べきものは、一体ただ光明の欠如を意味するにすぎないと思われる暗黒あるいは夜をある
実在的なものだとする観念である。「有」と「非有」とは一体正反対なものであるのを連....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
も畢竟イメージにすぎないが、これに反して俳優の扮装はいくらまちがっていてもそれは
実在であるから我々はともするとその現実性にだまされて「うむ、このほうがいいかな」....
「橋」より 著者:池谷信三郎
意から来るのではないのです。彼女は瞬間以外の自分の性格、生活に対しては、何んらの
実在性を感じないのです。彼女は自分の唇の紅がついたハンケチさえ、私の手もとに残す....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
は倒れはしまいかという杞憂のために、空虚なる根を張っている。寺院も、宮殿も、馬も
実在しているが、みな空虚である。人間もこの空間のうちに絶えず動いているが、かれら....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
この司配霊の手蹟はいつも同一で、一見その人と知ることができた。彼は私にとりて一の
実在であり、一の人格であり、その性情は、私が地上で接触する人間と同様に、顕著なる....
「妖怪学」より 著者:井上円了
るものあるがごときこれなり。妄想とは、空想中に天国現見し天神を現見して、そのまま
実在せりと信ずるがごときをいう。その他、精神諸病のこれを、第三種に属するもの、い....
「迷信解」より 著者:井上円了
を換えて申さば、幽霊につきて吾人の有する記憶、観念がその形を現じて、他人の霊魂の
実在を見るように思うのである。例えば、母親が愛児を失い、毎日毎夜これを心頭に浮か....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
ぐささに夜もろく/\眠られなかった。尤もこの「大悪僧」は或はピストル強盗のように
実在の人物ではなかったかも知れない。 僕等はいつか埃の色をした国技館の前へ通り....