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実家
「実家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
実家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
に母らしい親しみを感じたことはない。僕の母は髪を櫛巻《くしま》きにし、いつも芝の
実家にたった一人|坐《すわ》りながら、長煙管《ながぎせる》ですぱすぱ煙草《たばこ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
もんか。 まあ、何は措いて、嫁の内の財産を云々するなんざ、不埒の到だ。万々一、
実家の親が困窮して、都合に依って無心|合力でもしたとする。可愛い女房の親じゃない....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
字は違っているかもしれない。僕はただ彼のことをヒサイダさんと称していた。彼は僕の
実家にいる牛乳配達の一人だった。同時にまた今日ほどたくさんいない社会主義者の一人....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
しょう。そのうまれ代わりになりましょう、と云って、表向きつてを求めて、お稲さんの
実家に行って、そして私を――その後妻を――兄さんの妹分にして下さい、と言ったんで....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
、村里のその里の意味でない。註をすれば里よりは山の義で、字に顕せば故郷になる……
実家になる。 八九年|前晩春の頃、同じこの境内で、小児が集って凧を揚げて遊んで....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
虚さ。所帯気で緊ると、笑も理に落ちるかと思ったっけ。やがて、故郷、佐賀県の田舎の
実家に、整理すべき事がある、といって、夏うち国に帰ったのが――まだ出て来ない。そ....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
の婦人があって、養子を見ると、慌てて襷をはずして、お辞儀をしたがね、そこが養子の
実家だった。 地続きの桃畠へ入ると、さあ、たくさん取れ、今じゃ、※さんがいい児....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
ことをなさざりき。 しかりし後、いまだかつて許されざりし里帰を許されて、お通は
実家に帰りしが、母の膝下に来るとともに、張詰めし気の弛みけむ、渠はあどけなきもの....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
つ苦労ということは知りませんで、悲しい事も、辛い事もついぞ覚えはありません、まだ
実家には両親も達者で居ます身の上ですもの。 腹の立った事さえござんせん、余り果....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
かわり、白鉢巻をするのです。主に城内の馬場で稽古したのですが、後には乗馬で鎌倉へ
実家帰りをしたこともございます。従者も男子のみでは困りますので、一人の腰元にも乗....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
と、どの雀も皆言い合わせたように一度に空中へ逃げのぼって行った。…… 僕は妻の
実家へ行き、庭先の籐椅子に腰をおろした。庭の隅の金網の中には白いレグホン種の鶏が....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
大野木の二階で、蜆汁、冷豆府どころで朝振舞がありました。新夫人……はまだ島田で、
実家の父が酒飲みですから、ほどのいい燗がついているのに、暑さに咽喉の乾いた処、息....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
、――いま言う――その写真のぬしを正のもので見たのである。 その前に、渠は母の
実家の檀那寺なる、この辺の寺に墓詣した。 俗に赤門寺と云う。……門も朱塗だし、....
「山吹」より 著者:泉鏡花
、風呂敷でお惣菜の買ものにも出ますんです。――それを厭うものですか。――日本橋の
実家からは毎日のおやつと晩だけの御馳走は、重箱と盤台で、その日その日に、男衆が遠....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
いのでね、まあ、御挨拶半分に、お邸はアノ通り、御身分は申すまでもございません。お
実家には親御様お両方ともお達者なり、姑御と申すはなし、小姑一|人ございますか。旦....