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実態
「実態〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
実態の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「チャンス」より 著者:太宰治
恋愛とは何か。 曰《いわ》く、「それは非常に恥かしいものである」と。 その
実態が、かくの如きものである以上、とてもそれは恥かしくて、口に出しては言えない言....
「窪川稲子のこと」より 著者:宮本百合子
い間大衆の力との密接な連関で作家としても正しく育って来た作家は、自身の作家生活の
実態において今日の大衆の苦難を感じそれと闘っているのではあるまいか。 『牡丹のあ....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
て自己の解放を個人主義に立つ観念の内に求めたばかりでなく、云うところの美的生活の
実態を明らかにし得なくて、英雄崇拝に趨り、日蓮への憧憬に終末した。 雷鳥のロマ....
「新しい文学の誕生」より 著者:宮本百合子
であり、文学であり、またその読者であったのだが、今日、日本の中産階級というものの
実態はどうだろう。経済的に破滅した。経済上、精神上の闇が洪水のように、最もよわい....
「ヨーロッパ的性格 ニッポン的性格」より 著者:坂口安吾
、物事の観察法、世界観といいますか、人間観察というものを大変に遅鈍にさせまして、
実態にふれることのない、抽象的な考え方をはびこらせることになったのであります。抽....
「光は影を」より 著者:岸田国士
んど、あますところなく手にとつてみた。 彼は、そのつぎに、個人経営の各種農園の
実態と、その経営の基礎となるような経済的、技術的な参考書を、ひと通り拾い読みをし....
「S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
がちようど新憲法実施一周年にあたるところからも、私の注意は、国の制度と社会生活の
実態との関係に向けられたわけですが、そも/\、日本の現実の社会と、新憲法の精神と....
「殺意(ストリップショウ)」より 著者:三好十郎
められるようにはなったが 実際の事実の上では人権は確立されていない事を 失業者の
実態や、独占外国資本の支配力などに関係させて話されていて 先生らしく、一方で学者....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
しれないが、しかもなお、学問的良心は私の身体を鼓舞し、患者を診よ、正確に観察し、
実態を把握せよ、そして良き療法を考察せよ、と激励してやまない。実験器械はなく、検....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、西洞院の西の空地へ、吉岡流兵法の振武閣というものを建築するという案で――社会の
実態を鑑みるに、いよいよ武術は旺になり、諸侯は武術家を要望している。この際、多く....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
見るならば、宗達筆の扇面画に見られるような美術でもあります。けれど「保元の乱」の
実態は、決して、名誉な歴史ではありません。そのころの社会悪と人間性の陥りやすい権....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
であった。 ひとり小寺氏の領内ばかりでなく、諸国どこの領土を見ても、まずこんな
実態にあったのが当時の一般的な世相だったといってもよい。そうした世の中なればこそ....
「淡窓先生の教育」より 著者:中谷宇吉郎
の人間教育も必要だ、という風なことをいう人もある。しかしそれはアメリカの六三制の
実態を知らない人の言である。アメリカでは、六三制の最初の二つ、即ち義務教育である....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
にはあった本来の野性。そして野性から磨きあげられた情熱と理想とは、大きな人間群の
実態にぶつかって、近来、手も足も出ないような気もちに追いこまれかけていた。――あ....